鹿児島県本格焼酎鑑評会と熊本国税局酒類鑑評会で受賞が常連の蔵元
西平本家といえば、鹿児島県本格焼酎鑑評会と熊本国税局酒類鑑評会で受賞が常連の蔵元である。
西平本家では、数年前に「せえごれ」を代表銘柄として登録していて、「せえごれ」が代表を務める前までは、「八千代」が代表であった。
面白いことに、西平本家での受賞歴で、最も受賞回数が多いのが、黒糖焼酎「氣(き)(白麹)」である。
西平本家のHPでも受賞歴は記載されているが、改めてその受賞歴をざっとまとめてみると、以下のようになる。
◇鹿児島県本格焼酎鑑評会
平成18年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成19年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成20年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成21年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成22年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成23年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成24年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞代表」受賞
平成25年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成26年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成27年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成28年酒造年度 氣(白麹) 「総裁賞代表」受賞
平成29年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成30年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
令和元年酒造年度 氣(白麹) 「総裁賞代表」受賞
令和2年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
令和3年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
令和4年酒造年度 氣(白麹) 「優等賞」受賞
◇熊本国税局酒類鑑評会
平成18年酒類鑑評会 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成19年酒類鑑評会 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成20年酒類鑑評会 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成21年酒類鑑評会 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成22年酒類鑑評会 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成23年酒類鑑評会 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成24年酒類鑑評会 氣(白麹) 「優等賞」受賞
平成25年酒類鑑評会 氣(白麹) 「優等賞」受賞
それにしても、各地で行われる品評会の数がそれなりにあるとはいえ、これだけの受賞歴のある銘柄であれば、飲んでみたいと思う人は多いのではないだろうか?
これをお読みの読者さまが、酒屋に焼酎を買いに行った際に、何気に金額を見て、お値打ちな方を購入するということはよくある話である。
たくさんの銘柄が並んでいる酒屋では、それぞれの銘柄の特徴や造り手の思いを記載するスペースや表示する方法などが制限されてしまい、表面上の価格でしか差別化できなくなっているのだ。
これは何も、焼酎に限ったことではなく、焼酎以外の、例えば、飲食店などの店選びにおいても、同様のことが言えるのではないだろうか?
ここ最近では、特に、日本を訪問する観光客が増え、日本は世界一、観光に訪れたい国であるという話である。
そして、日本を訪れた海外からの訪日客の人々は、皆が口をそろえて、日本の飲食店では、どこで食べても外れが無いというのである。
ここで、声を大にして言いたい。
「黒糖焼酎という焼酎を飲んでみてほしい。」
そしてもしこれをお読みの読者さまが、黒糖焼酎の銘柄選びに迷っているならば、ぜひとも試してみていただきたい銘柄がある。
そう、それが、品評会での受賞歴の多い、黒糖焼酎「氣(白麹)」である。
なぜ、黒糖焼酎「氣(白麹)」を試していただきたいのかというと、この銘柄はとにかく優しい味わいで、黒糖焼酎の初心者に対して、オススメ度NO.1の銘柄であるからだ。
最近では、黒糖焼酎の売れ筋といえば、減圧蒸留の銘柄が多く、昔ながらの常圧蒸留の黒糖焼酎が影を潜めているような気配がある。
もともと、歴史ある黒糖焼酎の本家といえば、常圧蒸留で製造した焼酎が昔ながらの伝統を引き継いだお酒と言えるのである。
筆者であるイノウエも、黒糖焼酎「氣(白麹)」ほどに、焼酎の初心者向けの銘柄は無いのではと思うほどに、この銘柄は本当にオススメの銘柄である。
そして一度、黒糖焼酎の味わいに触れたことのある人であれば、もっといろいろな味わいを試してみたくなることが必至で、西平本家の代表である「せえごれ」も超オススメの銘柄となるのである。
この記事では、西平本家の魅力について、たっぷりとご紹介していきたいと思うので、ぜひともこの蔵元の魅力を味わっていただきたい。
奄美大島最大の中心地で近代的小都市である「名瀬」
奄美大島の中心地で近代的小都市といえば、「名瀬」である。
奄美大島では、名瀬は都会で、それ以外は田舎ということになり、この、近代的小都市に、西平本家がある。
名瀬には西平本家以外にも、いくつかの蔵元が集中していて、さすが奄美大島の中心街といった印象である。
もしこれをお読みの読者様が、奄美大島に行くことがあれば、必ず訪れることになる街が名瀬である。
名瀬には、生活に必要なライフラインがすべて揃っているので、奄美大島に移住しようと思ったときに、必ずお世話になる街である。
また名瀬には、イオンをはじめとする大型ショッピングモールや、ミスタードーナツなどのファーストフード店などがあり、昼は買い物、夜は飲み屋街と、人の行き来の盛んな街である。
ここではせっかくなので、名瀬の観光スポットをいくつかご紹介しておこう。
皆さんも、奄美大島に来た際には、名瀬の観光スポットと、西平本家の工場見学に行くことをオススメする。
ミッドナイトツアー奄美
ミッド・ナイトツアー奄美はナイトツアー専門のツアーである。
このツアーでは、お客様が満足するまでゆっくりと奄美の希少な動植物等を観察することができ、撮影等も可能である。
なんと、お一人からでも案内していただけるということだ。
天然記念物のアマミノクロウサギはもちろん、夏場はホタルなどを見ることができる。
さらに、雨上がりには日本で最も美しいとされるイシカワガエルやハブ、季節によって奄美に訪れる渡り鳥等々、多種多様な生き物を見学することができる。
食鮮市場@やっちゃば
奄美の「美味しい」は食鮮市場@やっちゃばに行けば見つかる。
亜熱帯気候の旬のフルーツ・奄美近海で育つ鮮魚や旨みがギュッと凝縮された奄美で育った島豚等、奄美には多くの「美味しい」がある。
このお店の目利きの店主が、厳選した品質は折り紙付きで、どれも味わいは格別だということだ。
このお店の食品は、みやげとしての人気も高く、全国発送も可能とのこと。
奄美に行った際にはぜひ立ち寄りたい市場である。
観光ネットワーク奄美
観光ネットワーク奄美では、さまざまな奄美を案内する企画を提供し続けている。
例えば、亜熱帯性常緑広葉樹が広がる山々と川、そして島を取り巻く黒潮とサンゴ礁の海、豊かで特異な自然とその自然に育まれた動植物など。
そして、琉球と古代日本の文 化・民俗が息づく独特の文化のある島である「奄美」。
ここでは、そんな自然を満喫できるツアーを数多く企画している。
地元の人も知らない奄美の固有種や生物をガイドが詳しく解説してくれる。
奄美鶏飯と島料理の鳥しん
奄美鶏飯と島料理の鳥しん|奄美のソウルフード「鶏飯」を味わうならここである。
ここでは、奄美の新鮮な鶏料理が味わえると、地元の方をはじめ観光客からも愛される郷土料理店である。
鳥しんの「鶏飯」は、10時間ほどじっくり煮込んだ鶏ガラと奄美の天然塩を使用した特製スープが特徴で、すっきりとした味わいが評判である。
その他、鶏飯のスープを使った「鶏飯ラーメン」や朝引きの新鮮な「鳥刺し」、郷土料理でもあるハリセンボンの味噌汁「アバス汁」など、メニューも豊富に取り揃えてある。
名瀬について、紹介していくとキリがないので、他の蔵元でのご紹介の際に、別の名瀬をご紹介いていく予定なので、楽しみにしていただきたいと思う。
西平本家の歴史について
ここで、西平本家のこれまでの生い立ちについて、述べて行こうと思う。
※ 本内容については、かなりの内容を、「あまみの甘み あまみの香り」鯨本あつこ・石原みどり 著から引用しています。
西平酒造の創業は、大正14(1925)年、沖縄出身の西平守常(にしひら・もりつね)氏が、喜界島で開いた泡盛の酒造所が蔵のルーツとなっている。
昭和2(1927)年に奄美大島の現在地に移転し、平成27(2015)年に創業90年を迎えた。
旧代表銘柄の「八千代(やちよ)」は、創業時から受け継がれている歴史ある銘柄である。
現在、西平本家では、小瀬戸氏が蔵元の代表を務めている。
また、西平本家の現在の杜氏は、山田恭平(やまだ・きょうへい)氏が務めている。
西平本家では、数名の従業員で蔵元を支え、昔ながらの伝統的な手作業などで丁寧に焼酎造りに励んでいる。
西平本家の黒糖焼酎の造りのこだわり
ここからは、西平本家の、黒糖焼酎造りの蔵元のこだわりや特徴について、記載していこうと思う。
西平本家では、造りの時期は、1月下旬から5月初旬ごろまでを黒糖焼酎の造りに充てている。
各蔵元でも、冬の時期に黒糖焼酎を製造しているところがほとんどであるが、これは、温度管理のしやすさと、雑菌を防ぐという目的があり、冬が焼酎造りに適しているのだという。
麹(こうじ)は主に、西日本産の国産米を用い、銘柄により、白麹と黒麹を使い分けて黒糖焼酎の銘柄のラインナップを揃えている。
西平本家では、沖縄産の黒糖を主に使用し、いくつかの種類の黒糖をブレンドして使用している。
製麹(せいきく)の行程では、大きな三角棚に対して、4人がかりの手作業で行っている。
黒糖焼酎の製造工程では、通常は2日間かけて麹を熟成させるのであるが、西平本家では、「半麹」といって、一晩だけ寝かせた熟成期間が半分の若い麹を造る工程を敢えて加えている。
「半麹」を作ったあと、二次仕込みの際に、通常の麹に加えて、「半麹」を加えるというのが、西平本家の造りの特徴だと言える。
一次仕込みの容器は、昭和30年~40年代から使い込まれた19本の甕(かめ)が特徴。
ひと仕込みに19本の甕のうち、6本ずつが使用され、それらの甕に、二次仕込みで半麹を加える。
この半麹を加えることで、麹の糖化がゆっくと進み、米の旨味が引き出される。
三次仕込みでは、蒸気で溶かした黒糖をもろみと合わせて大きなホーロータンクに仕込む。
そして、「半麹」以外に、西平本家の造りのもう一つの特徴が、「単式常圧蒸留器 可変式三方弁」である。
この蒸留器は、高さを調節できる3本のネックを通して焼酎を蒸留することで、アルコール濃度・旨味・香りが異なる原酒を抽出することができるのだという。
そして、この「単式常圧蒸留器 可変式三方弁」を使用して抽出した、特徴の違う原酒を合わせることで、原酒に奥行きのある味わいをもたらすことができるのだということである。
この、「単式常圧蒸留器 可変式三方弁」という装置は、奄美諸島ではオリジナルの装置で、味わいの違う原酒をブレンドするのに西平本家独自の味が出せるのだという。
西平本家では、原酒をホーロータンクや樫樽(かしだる)に貯蔵し、1年以上の貯蔵熟成を経て、黒糖焼酎を商品化している。
さらに、貯蔵しながら浮いてくる余分な油脂分は、その都度、手作業で丁寧にとり除いている。
こうして、時間をかけて熟成させることで、焼酎の酒質がまろやかになり、豊かな風味を味わうことができるようになる。
また、環境に対しても廃棄物の取り扱いを配慮するなどの取り組みを行っており、焼酎かすなどは、地元の農地で肥料としてリサイクルされているということである。
西平本家では、それぞれの銘柄はブレンドして製造しているということで、ブレンドすることで、焼酎の味わいに奥行きが出たり、安定した味をキープするのに調整しやすくなるとのこと。
焼酎は、ブレンドすると、味わいに奥行きが広がり、がまろやかになって、飲みやすくなるので、ブレンドするほどに、美味しくなるのだ。
西平本家の焼酎の味わいの奥行きは、ブレンドすることでできる味わいだったのだ。
西平本家は手作業を惜しまない蔵元である
西平本家といえば、イノウエの印象は、手間暇を惜しまないと言った印象がある。
西平本家の特徴を最も反映させた銘柄が「せえごれ」である。
「せえごれ」とは、奄美の方言で、大酒飲みといった意味合いがあり、西平本家では、「せえごれ」を代表銘柄として販売している。
「せえごれ」は無濾過でできた原酒を、丁寧に手作業で雑味を取り除くといった手間暇をかけた銘柄であり、このような銘柄を代表にしようというあたり、この蔵元の丁寧さが伝わってくる。
さらに、「八千代」、「氣」など、他のどの銘柄を飲んでも、全くといっていいほど、雑味が感じられず、雑味を取り除く丁寧な作業がとても反映されているのが、飲むと伝わってくるのだ。
そして、この蔵元のお酒の特徴として、トロミがある。
通常、うどんなどで、「あんかけ」などをして、味をより濃く感じたいときに、片栗粉を入れて、スープにトロミをつけることがある。
黒糖焼酎もトロミがあると、口の中で味わいをより深く感じることができ、飲んだ後の余韻もしっかりと感じることができる贅沢な飲み口となる。
黒糖焼酎でよくトロミが出る特徴として、甕仕込み(かめしこみ)の焼酎があり、甕仕込みは、昔ながらの黒糖焼酎の造りの特徴として、代々受け継がれてきた。
イノウエは、いろいろな蔵元の黒糖焼酎を飲むたびに、雑味の感じられないすっきりとした味わいが、いかに蔵元が丁寧に雑味を取っているということが伝わってくる。
そして、その雑味を全く感じさせない代表的な蔵元が西平本家である。
西平本家の黒糖焼酎はどちらかというと、味わいが柔らかく、強すぎない甘さが特徴で、どれも優しい味わいの黒糖焼酎ばかりである。
この、優しい味わいというのは、西平本家の手作業の丁寧さのたまものであるといえよう。
西平本家の製造責任者である小瀬戸氏に、最も大変な作業についてお伺いすると、米をドラムに入れる作業だとおっしゃられた。
確かに、米を手作業でドラムに入れる作業は想像しただけでも、大変な重労働である。
しかし、このような丁寧な手作業をすることで、美味しい黒糖焼酎ができあがるのだ。
イノウエは西平本家の丁寧な作業の連続に、敬意を払いたくなった。
インタビューに応じていただいた人たち
ここからは、今回の西平本家に対する取材において、インタビューに応じていただいた方々をご紹介させていただこうかと思う。
小瀬戸悠悟 (こせと ゆうご)氏 (製造責任者)
今回取材に応じていただいたのが、西平本家の製造責任者である、小瀬戸悠悟氏である。
小瀬戸氏は、とても落ち着いたトーンの方で、話していると、とてもにこやかに笑っていただいたりするので、会話していて、とても楽しく会話ができる、明るい人である。
小瀬戸氏によると、特に奄美大島の魅力は、エメラルドグリーンの景色が最高だということで、移動の際に、海岸線をひたすら走る景色は、心を癒されるのだという。
そんな、小瀬戸氏オススメの黒糖焼酎の飲み方は、シンプルにロックだということである。
また、小瀬戸氏オススメの黒糖焼酎の飲み方として、冷蔵庫で瓶ごと冷やして、冷えた焼酎をコップに入れてそのまま飲むということもオススメなのだとか。
イノウエも、他の黒糖焼酎の蔵元様とお話させていただいたときに、黒糖焼酎の濃度を一定に保って、自分好みの濃度で飲むというのが美味しいというのを聞いたことがある。
黒糖焼酎を瓶ごと冷やして飲むという方法は、濃度や味わいが一定のままで味わうことができるので、そういう意味ではオススメの飲み方なのかも知れない。
西平本家の黒糖焼酎は、くどくなく、とても優しい味わいで、どちらかというと何杯でも飲めるといった味の濃くない飲みやすい特徴がある。
イノウエが、西平本家の黒糖焼酎の味わいが、奄美大島酒造のものと仕込み方法が似ているというと、実は、奄美大島酒造と親交があるのだという。
小瀬戸氏は、奄美大島酒造の安原杜氏と親交があり、黒糖焼酎の味わいなどの考え方もとても似ていて、お互いに造りの技術交流なども行われことがあるのだという。
実は、イノウエは、味の濃すぎる黒糖焼酎よりも、何杯でもお代わりができる黒糖焼酎の方が、飲みやすいと思っている点があり、西平本家の黒糖焼酎がまさにそれなのである。
西平本家の製造の特徴で、「単式常圧蒸留器 可変式三方弁」というものがあるのであるが、実は、この装置、奄美諸島では珍しい、黒糖焼酎蔵元の中では独自の物だということである。
西平本家では、各銘柄をブレンドして製造しているということで、ブレンドすることにより、味に奥行きが出るのと、一定の味わいになるように調整しやすくしているのだという。
小瀬戸氏がとても気さくで話しやすいので、イノウエはついつい時間が立つのを忘れてしまうほどに会話させていただいて、あっという間に時間が経過していた。
イノウエはつくづく思うのであるが、奄美諸島に住んでいる人で、悪い印象を感じた人は一人もいない。
西平本家の黒糖焼酎は、リピートするのに、とても手ごろで、いつも飲んでいたい銘柄であるとつくづく思った。
西平本家の具体的な製品をご紹介
ここでは、西平本家が製造する、代表的な黒糖焼酎の銘柄のうち、いつくかの銘柄について、紹介していこうと思う。
「せえごれ」
度数:25度
蒸留方式:常圧蒸留
黒糖焼酎「せえごれ」は、西平本家の代表銘柄である。
とにかく手間暇をかけて製造した銘柄なのであるが、手間暇という点では、焼酎の蔵元の中でも、とりわけ手間暇を惜しまないという西平本家の蔵元の特徴が色濃く反映された銘柄である。
「せえ」とは、奄美の方言でお酒を指しており、奄美のお酒は黒糖焼酎のことである。
「ごれ」とは飲みすぎのことで、「せえごれ」で大酒飲みのことを指している。
そして、このお酒のラベルに貼ってある「せえごれ」の文字は、奄美出身の歌手「元ちとせ(はじめちとせ)」さんの手書きである。
このお酒は、無濾過で仕上げた原酒を手作業で油脂を丁寧にとり除くという作業を行っていて、どこまでも手の込んだ一品である。
そのためか、このお酒をコップに注ぐと、コップの中のお酒に、油脂のようなものが浮いているように見える。
しかし、このお酒を飲んでみると、全く雑味が感じられないので、手作業で丁寧に油脂を取り除く、その手間暇の丁寧さが伝わってくる味わいである。
このお酒は無濾過ということで、特にトロミがあり、焼酎の良い意味での味わいを強く残したような一品である。
それゆえ、飲んだときの黒糖の良い部分の味わいが口の中で広がり、そしてこのお酒のトロミがいつまでも口の中で余韻を残してくれる。
口の中がいつまでも黒糖の甘みを残してくれるので、幸せの余韻を感じることができる一品である。
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「氣(き)」
度数:25度
蒸留方式:常圧蒸留
西平本家が製造する焼酎の中で、最もオススメできる焼酎の銘柄が「氣」であると言える。
「氣」は白麹と黒麹仕込みの2種類の銘柄があり、それぞれの好みで、どちらかを選んでいただけたらと思う。
どちらかというと、お湯割りがオススメなのが白麹仕込みで、ロックがオススメなのが黒麹仕込みである。
「氣」の特徴は、1年間熟成させることにより、より芳醇な甘みの深みとまろやかさが増し、とても親しみやすい優しい味わいになっているという点である。
このお酒はトロミがあり、このトロミが、黒糖の甘い余韻を優しく口の中で残してくれているので、芳醇な甘さがぜいたくにも口の中で残る味わいである。
西平本家の黒糖焼酎の特徴は、どれも甘すぎず、しっかりと雑味が取れて無くなっているので、かなり初心者向けの味わいの黒糖焼酎が多いのが特徴である。
この「氣」も、どちらかというと、初心者が飲んでも余分な雑味が無い分、安心して飲める一品である。
しかし、「氣」は初心者だけでなく、奥行きのある甘い味わいは、黒糖焼酎の通も安心して飲める一品なので、万人にオススメである。
甕仕込みだからこそのトロミと、丁寧に雑味が取り除かれた味わいを感じることができる一品である。
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「八千代」
度数:30度
蒸留方式:常圧蒸留
「八千代(やちよ)」は西平本家の元の代表銘柄で、90年以上歴史ある西平本家で奄美大島の地元で昔から愛されてきた一品である。
「八千代」は昔ながらの甕仕込みで常圧蒸留製法で製造され、透明感があって、それでいて黒糖の芳醇な香りと味わいを優しく感じることのできる銘柄である。
「八千代」の味わいは、どちらかというとスッキリしていて、だからこそ、毎日飲んでいても飽きない優しい味わいのする黒糖焼酎である。
アルコール度数も20度、25度、30度と酒類が取り揃えられていて、好みの度数で好みの飲み方を試すことができる。
奄美では、黒糖焼酎を30度で飲むというのが昔から一般的な飲み方であったが、最近では減圧蒸留の黒糖焼酎が出て、25度で飲まれることが多くなった。
そんな中、「八千代」は30度で飲んでも度数を感じさせない飲みやすさがあり、優しい味わいでほんのりと甘い黒糖の味わいを感じることができるので、いくら飲んでも飽きない美味しさである。
また、「八千代」は甕仕込みで製造されているという特徴もあるので、ほんのりとしたトロミが、コクと余韻を演出してくれるといった特徴がある。
西平本家が製造する黒糖焼酎は嫌味の無いスッキリとした味わいが特徴なので、むしろ初心者にも超オススメの蔵元であると言えるだろう。
そういう意味で、この蔵元の「八千代」をまずは試していただき、美味しいと思ったら、より特徴のある他の銘柄を試してみるのもいいのかも知れない。
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「天孫岳(アマンディ)」
度数:30度
蒸留方式:常圧蒸留
黒糖焼酎といえば、樽熟成との相性が、他の素材に比べて抜群に良いということが特徴としてある。
このお酒は原酒を2年間、樫樽で熟成させた一品で、この蔵元が製造するお酒の特徴のトロミと、樽熟の深い樽の風味を味わうことのできる一品である。
樽熟成のお酒は、どちらかというと、そのままでロックにして飲むよりも、水割りやお湯割りで飲むと、とても美味しく感じることができる。
というのも、樽熟成の黒糖焼酎はそのままの度数ではビター感が強く、水やお湯などで薄めることにより、そのビター感が大人の味わいを感じることができるからだ。
イノウエは特に、樽熟成のお湯割りが大好きで、冬にはいろいろな銘柄の樽熟成のお湯割りを楽しむという習慣がある。
「天孫岳(アマンディ)」とは、奄美大島にある土地のことを言い、村人から「かんたかい地」として深く尊崇されてきた。
そんな奄美大島の特別な土地を焼酎の銘柄にしたのが「天孫岳」である。
このお酒、熟成期間も2年間と長く、黒糖焼酎は寝かせれば寝かせるほど、味わい豊かで深みを増した飲みになる。
このお酒も、とても芳醇な黒糖の味わいと、この蔵元の提供する優しい味わいを感じることができる一品である。
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西平本家は手間暇を惜しまずに製品に愛情を注ぎ続けている蔵元
ここまで、西平本家について、ご紹介させいただいた。
西平本件は90年以上の歴史を持ち、2025年で創業100周年を迎える。
そんな西平本家が大切にしてきたことと言えば、製品に手間暇を惜しまずに愛情を注いで作るということ。
特に、代表である「せえごれ」は、無濾過で出来上がった原酒を、丁寧に手作業で油脂を取り除くという手間暇のかけようで、それゆえに、その味わいは贅沢な余韻の残る黒糖の味わいを感じることができる。
そう、いつも消費するお客様目線で商品を製造しているので、その味わいは飲む者を裏切らないのである。
イノウエは、いろいろな蔵元の黒糖焼酎を飲むたびに、各蔵元の丁寧な作業や手間について、いつも感心させられるのである。
特に、西平本家が製造している黒糖焼酎はどれも優しい味わいのする焼酎ばかりで、雑味というものをほとんど感じないのである。
さらに、西平本家には、他の蔵元が行っていない、造りの特徴というものがある。
それが、「半麹3段仕込み」という製法と、「単式常圧蒸留器 可変式三方弁」という蒸留方法である。
確かに、西平本家の黒糖焼酎は、単に優しい味わいというだけでなく、奥行きの深い黒糖の芳醇な甘みを感じることができるのだ。
イノウエは「せえごれ」をロックでグラスに注ぎ、平日の夜に、黒糖焼酎を楽しんでいた。
「うん、この味わいだ。「せえごれ」の黒糖の甘いほのかな余韻が続く味わいは、本当に仕事の疲れをいやしてくれる最高のパートナーだ!」
今回の記事は以上になります。
ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。