黒糖焼酎蔵「有村酒造」をご紹介

  • 3月 6, 2023
  • 3月 7, 2023
  • 知識編
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島に訪れた人を「与論献奉(よろんけんぽう)」でお出迎え!「トートゥガナシ!」

「皆さん、今日は、与論島にようこそ!

与論といえば、この「島有泉」でおもてなしをする、「与論献奉」というおもてなしの文化があります。

まずは、親となった人は、盃に自分の飲みたい量のお酒をいれます。

そして大事なのは、「ハッカーナードー(このくらいのだよ)」と言って、酒の入った盃を一人ひとり、みんなに見せます。

いいですか?

ハッカーナードー?

ハッカーナードー?

ハッカーナードー?

さあ、それでは、盃に入っているお酒を親が飲みます。」

「えーっ、みなさん、与論島の、有村〇〇といいまーす。

今日は与論に来ていただいて、大変嬉しく思います。

では、いただきます。」

パチパチパチパチパチーーー!!

「えーっ、皆さん、こんな風に飲み終えたら、盃をひっくり返して、お酒が残っていない事をみんなに見てもらいます。

そして、飲み終わったら、盃に数滴残ったお酒を片方の手のひらに落とし、その手で頭を押さえつけ、「トートゥガナシ(ありがとう)」と言います。」

「トートゥガナシは与論の言葉で、ありがとうという、感謝の意味の言葉です。」

「こうして、自分が飲んだ量の島有泉を、訪問していただいた人に渡し、受け取った方は、そのお酒を飲み干してください。」

「こんなふうに、ここにいる全員に、この盃がまわります。

そして最後、1週したら、今度は別の人が親になります。」

こうして、与論島の客人をおもてなす儀式である、「与論献奉」が始まるのである。

与論の人たちは、こんなふうに、島外からのお客様を、おもてなしをする儀式と、おもてなしをしようという、ウェルカムな心がある。

そう、これこそが、与論島が他の島と比較して、素晴らしい島だといえる最大の魅力なのだ。

イノウエも、有村酒造の元社長で、現工場長であられる、有村晃治氏にお話しを伺ったときに、与論島の人が、とても魅力的だと思える、島の人となりをお聞きすることができた。

「いやあ、与論の人は、おもてなしをするのが好きなんですよ。」

「おもてなし」をするのが好きという島の文化は、島を訪れた人々にとって、どれほどか有難いことであろう。

もしこれをお読みのあなたが、都会の喧騒にとても疲れ切ってしまったときに、与論島を訪れて、島のおもてなし儀式である「与論献奉」を受けると、どんなに心が安らかになるであろう。

そして、「与論献奉」に欠かせないお酒が、島で唯一の蔵元である、有村酒造が製造する、「島有泉(しまゆうせん)」である。

ここまでくると、「島有泉」とは、どのようなお酒なのであろうかと、気になる人も多いのではないだろうか?

ご心配無用、この後で、「島有泉」の魅力について、たっぷりと解説していきたいと思う。

皆さんも、黒糖焼酎「島有泉」だけでなく、与論島の大自然、与論島のウェルカムな島人など、与論島は、今最も注目すべき、お宝のような、魅力あふれる島である。

あなたも、与論島に行って、心身ともに、心底リフレッシュをしに行かれてみてはどうであろうか?

与論島ってどんな島なの?

みなさんの中でも、与論島を知らない人は多いのではないかと思う。

与論島のことを以下に簡単に解説させていただこうかと思う。

ただ、与論島についての詳しい内容については、別の記事でガッツリと紹介していこうと思うので、簡単な紹介だけにとどめておこうかと思う。

まず、与論島という島は、鹿児島県の最南端の列島であって、奄美群島の中でも、最南端の島である。

本記事でご紹介している、有村酒造株式会社は、与論島で唯一の酒蔵となっている。

与論島にも空港である、与論空港があり、与論島への飛行機でのアクセスは、鹿児島・奄美大島・沖縄から毎日就航している。

ここでは、与論島の中でも、有村酒造周辺の観光スポットについて、いくつか簡単にご紹介していきたいと思う。

有村酒造株式会社

有村酒造は、与論島の中でも、北西の河岸近くに位置する。

近くには、与論島一の商店街である、「与論銀座通り」があり、比較的、インフラの整った、賑やかな場所にある。

与論空港から車で10分という近さで、空港からのアクセスが良く、島で唯一の蔵元なので、与論島に来たときは、必ず工場見学に訪れてみよう。

有村酒造は与論の人々の生活の一部になっていて、島内の人々に本当に愛されているのである。

この記事内では、有村酒造の魅力をたっぷりとご紹介していきたいと思う。

与論銀座通り

有村酒造から、わずか100mの距離に、与論銀座通りがある。

ここには、与論島の土産品の販売店を中心に、多くの飲食店で賑わう、与論島一の商店街となっている。

有村酒造の蔵元見学のついでに、ここのお土産物市場もチェックしておくと、便利に島の観光ができるというものだ。

与論島内は、島内が凝縮されたように、どこへでもアクセスが良いので、島の反対側でも、羽根を伸ばすことも可能である。

蒼い珊瑚礁

与論島の名物料理の一つに、もずくそばというものがある。

もずくそばは、沖縄でも作られているということであるが、与論島で、もずくそばといえば、ここ、「蒼い珊瑚礁」が有名だ。

もずくそばとは、小麦粉に、もずくを混ぜて作られており、そばと言っても、そば粉は入っていないので、そばアレルギーの人でも、そばのように食べられる、名物料理である。

与論島に数日間の滞在期間があるなら、是非とも、この「蒼い珊瑚礁」で、もずくそばを食べてみよう。

味咲(みさき)

与論島の名物料理というか、名物の食べ物と言えば、上の「蒼い珊瑚礁」でも記載した、「もずく」である。

ここで食べられる名物料理が、「もずく冷やし茶漬け」である。

「もずく冷やし茶漬け」は、暑くてもスルスルと食べられる、新しい名物料理である。

この店は基本的に、沖縄料理ということがメインのようであるが、それ以外にも、「スタミナにんにくラーメン」という名物料理もある。

他にも、かき氷などもあったり、とにかくメニューが豊富にある。

「味咲」は、与論島の南東の、赤崎海岸沿いにあるので、海を見るついでに、ここに立ち寄ってみるのもいいだろう。

茶花海岸

茶花海岸は、有村酒造から、徒歩10分のところにあるのであるが、生活圏から、こんなにも贅沢なビーチが徒歩圏内になるという環境は、まさに島ならではといったところではないだろうか。

実は、与論島には、砂浜のビーチが60個もあり、マイビーチが選びたい放題なのだ。

そして、茶花海岸よりも注目度の高い、「百合ヶ浜」というビーチが、有村酒造と島で言うところの、反対の位置にある。

それにしても、ビーチが60個もあるというのは、ビーチ好きにとっては、まさに楽園ではないだろうか。

与論島のおもてなし儀式、「与論献奉」に島有泉は欠かせない

冒頭でも述べた、与論島のおもてなし儀式といえば、「与論献奉(よろんけんぽう)」である。

「与論献奉」を簡単に説明すると、”焼酎をまわし飲みすることで、客人を心から歓迎する儀式”の事。

 元々は、「これは与論”憲法”だから、断れませんよ」と言ってお酒を進めたのが始まりだそう。

そこから広まり、「与論憲法」の「憲法」という堅苦しい言い回しから、「感謝」の意を込めた、「与論献奉」の「献奉」に変わっていったのだそう。

「与論献奉」についての詳細については、与論島の別記事にも記載をしていく予定なので、ここでは、「与論献奉」で飲まれるお酒の、「島有泉(しまゆうせん)」との関係性について、述べたいと思う。

「島有泉」は、基本的に、水で薄めたり、お湯割りをしたり、ロックで飲むという、他の黒糖焼酎とは違い、そのまま瓶ごと冷やして飲む、いわば生(き)で飲むことを前提に造られている。

そのため、アルコール度数は20度と控え目で、おもてなしに使われるお酒ということもあって、その味わいは、どこまでも優しい味わいとなっている。

このお酒の味わいは、どのような客人であっても、アルコールを飲める人であれば、誰でも飲みやすいように、ほんのり甘く、全くクセを感じさせない、飲みやすい味わいになっている。

「島有泉」はもともと、「有泉」という名前であったが、島をイメージしやすいように、「島有泉」と改名された。

与論島の人々は、昔から「有泉」と呼んで、「島有泉」は本当に島の人々に心から愛されている。

この、島の人々に愛されているというエピソードをご紹介しよう。

まず、与論島を出て、日本本土で暮らしている与論島の人々は、この「島有泉」の味が、無性に恋しくなり、送料を支払ってでも、与論島から「島有泉」を取り寄せるのだという。

与論島の人々にとって、「島有泉」は、体の隅々まで染みついたお酒であり、もはや島の人々にとっては、生活の一部、いや、体の一部だと言ってもいいぐらいなのである。

こんなにも「島有泉」が、島の人々の生活に根付いて、しかも愛されているお酒であるということを知ったのなら、「どんな味なんだろう?」と気になる人も多いのではないかと思う。

イノウエも、初めてこのお酒を飲んだときは、想像していた味とは違っていた。

ある程度は飲みやすいお酒だということは、いろんなサイトのレビューや書物などには記載しているのではあるが、その味わいは、一言、「限りなく優しい味」というのが、イノウエの印象である。

「島有泉」は、あらゆる黒糖焼酎の中で、最も優しい味わいが感じられる、オリジナルの黒糖焼酎である。

イノウエ的にも、このお酒を飲んだ瞬間、このお酒を求める本土にいる、与論島の人の気持ちが、理解できるように思えた。

与論島の人々が愛してやまない「島有泉」は、誰が飲んでも受け入れられ、限りなく飲みやすく造られている、母のような、優しいお酒なのである。

有村酒造の歴史について

ここで、有村酒造のこれまでの生い立ちについて、述べて行こうと思う。

※ 本内容については、かなりの内容を、「あまみの甘み あまみの香り」鯨本あつこ・石原みどり 著から引用しています。

有村酒造は、アメリカ軍政下の昭和22(1947)年に、「有村泰治製造工場(ありむらたいじしゅぞうこうじょう)」として創業した。

平成5(1993)年に、「有村酒造株式会社」として法人化し、今に至る。

有村泰治氏のあと、息子である、有村雅雄(ありむら・まさお)氏が二代目の社長に就任し、有村酒造の現在の基盤と、「島有泉」の味の基盤を作ったということである。

そして、有村晃治氏は、父である雅雄さんの後を継ぎ、3代目の社長に就任することになった。

当時、3代目の社長に就任したばかりの晃治さんにとって、「黒糖焼酎の製造」という課題について、焼酎造りの経験がほとんど無かったこともあり、苦労の連続だったということである。

そして、有村晃治社長の後を継いだのが、雅雄氏の次男である、有村泰和(ありむら・やすかず)氏で、泰和氏は晃治氏の後を継ぎ、4代目の社長に就任。

そして、社長であった晃治氏は、現在、有村酒造の工場長を務めている。

ここで、有村酒造の杜氏について記載していこうと思う。

杜氏はいわば、焼酎の味の管理人のことであり、杜氏によって、焼酎の味が決まるといっても過言ではない。

有村酒造の初代杜氏は、沖縄県浦添市出身で与論島に招いた、我謝孟恒氏がその任にあたる。

我謝孟恒氏が杜氏を務めていたころは、黒糖焼酎は琉球砂糖酒・奄美泡盛と呼ばれていたのだという。

そして、二代目杜氏に、与論島出身の人に杜氏を務めてもらいたいという思いもあって、福永忠重氏が杜氏を務めることになった。

そして、三代目の杜氏に、有村酒造の二代目の社長を務めた、有村雅雄氏が務め、有村酒造の焼酎の全ての基盤を築いていくこととなる。

現在の杜氏である、福地成夫氏は4代目の有村酒造の杜氏となり、雅雄さんの後を受け、長年に渡り、蔵を守り育んだ人物であり、有村酒造の全てを知り尽くした、無くてはならない存在である。

有村兄弟の奮闘記

実は、現在の有村酒造を語る上で、特に、有村兄弟の奮闘記がある。

与論島では、島民の生活に欠かせない、「島有泉」がある。

実は、有村酒造では、有村晃治さんが社長に就任するにあたった、劇的なエピソードがあったのである。

今となっては、他界したという、有村酒造の堅固な基盤を気づいた、有村雅雄さん。

偉大な父の偉業に、筆者であるイノウエも、現在の工場長を務める、有村晃治さんの言葉で、その存在の大きさを垣間見ることができた。

晃治さんによると、「ああ、父の雅雄が、全部やっていたので。」とのことである。

つまり、晃治さんの話によると、有村酒造の雅雄さんの弟子入りをして、じっくりと父親の芸を盗んだというよりは、父が他界し、急に、父の後を継いだのだという話なのである。

黒糖焼酎の蔵元の跡取りとはいえ、全くの焼酎造りの知識の無かった晃治さんは、黒糖焼酎の造りの基本について、一から学んだのだそう。

晃治さんによると、現在の、「島有泉」の味のヒントに、このときの教えが大いに生きているという。

晃治さんは、幼い頃より技術者としての一面も持っていたことが、蔵元の設備を改善するのに、大いに役に立つことになる。

蔵のいたるところに技術者としてのアイデアが光っていて、腰ほどの高さの黒糖溶解槽は、晃治さんの設計の特注品である。

この溶解槽のアイデアのおかげで、高いタンクに昇り降りして、重たい黒糖を運ぶ労力がなくなり、作業効率が格段に向上したということである。

一方の、現社長を務める、雅雄さんの次男である、有村泰和(ありむら・やすかず)さんは、東京の大学に行った後、富士ゼロックス(株)で働いていたという。

泰和さんは、富士ゼロックスで10年間、会社員として働いていたのであるが、兄である晃治さんのことが心配になり、自分も蔵元の手伝いをしようと、決心したのである。

そして、泰和さんは、10年間務めた富士ゼロックス(株)の会社員生活に終止符を打ち、与論島に帰郷することになった。

やがて泰和さんは、兄の後を継ぎ、有村酒造(株)の社長に就任し、兄である晃治さんは、工場長を務めるという形になった。

与論島の人々に愛されたお酒であり、今もなお、愛され続けている「島有泉」は、こうして、有村兄弟の奮闘によって、今もなお、守られ続けている。

インタビューに応じていただいた人たち

今回、イノウエの取材でインタビューに応じていただいた人について、記載していこうと思う。

代表取締役社長  有村 泰和(ありむら・やすかず)氏

まずはじめに、有村酒造の社長である、有村泰和社長をご紹介しようと思う。

泰和社長は、上でも述べたように、東京に本社を構える、富士ゼロックスで10年間の会社員としての生活を経て、有村酒造のある、与論島に帰郷することになった人である。

泰和社長の印象としては、さすがに東京で10年間勤めていたということもあり、第一声から、とても紳士的なご対応の印象を感じた。

泰和社長はとても落ち着いて、こちらの話も熱心に聞いてくださり、とても紳士的なご対応をされる方である。

有村酒造では、社長を含めて、従業員が6名の会社であるということなのだが、普通に大企業の社長といってもおかしくないような、とても冷静に卒なく対応をしてくださるといった雰囲気の方である。

泰和社長もおっしゃっていたように、与論島の魅力は何といっても、島の自然と、「与論献奉」という、島のおもてなしの精神である。

与論島の自然、特に、美しい海の風景というのは、あまり知られていないのであるが、日本一美しい海が体験できる島としても、密かに人気を集めている。

泰和社長の話では、与論島に一度訪れた観光客のリピーター率が高く、二度三度と、与論島中毒を生み出しているということである。

与論島に限らず、島というのは、その島々で、独特の魅力があったりするので、島が好きな人であれば、与論島の自然は、ぜひとも体験してみたいものである。

工場長  有村 晃治(ありむら・こうじ)氏

次にご紹介するのは、泰和社長の兄で、元社長を務められていた、有村晃治工場長である。

晃治工場長は、とても気さくで話しやすく、晃治さんが、島の人の平均であったとしたら、与論島の人々は、かなり親しみやすい人たちの集団だということになる。

イノウエが、有村酒造の記事を書きたい旨に、快く引き受けてくださったのが、晃治さんで、イノウエは、とても話しやすい晃治さんとは、ぜひとも酒を一緒に飲んでみたいと思うようになった。

イノウエは実は、与論島に行ったことがなく、与論島の人となりが、全く想像がつかなかったのであるが、晃治さんの話によれば、与論島の人は、おおらかで、優しくて、おもてなしが好きな人ばかりだという話である。

与論島の人々が、人懐っこい、愛すべき人たちであるならば、都会で疲れている人は、是非とも与論島に行くべきである。

晃治さんは、関東の大学で工業系を学ぶのが楽しいと思うくらいに、工業系のことを学ぶのが好きなのだということ。

その晃治さんの、工業系の知識や学びが、有村酒造の工場内のいたるところで生きている。

晃治さんから、「島有泉」の味を再現するための、工夫などを、いろいろとお聞きすることができた。

有村酒造における、黒糖焼酎の造りの特徴などについては、この後の章で、詳しく解説していこうと思う。

「島有泉」はとても優しい味わいというのが特徴であるのだが、晃治さんの話によれば、まさに、この優しい味わいをいかに再現するのかということに、こだわって造っているということである。

杜氏  福地 成夫(ふくぢ・しげお)氏

今回の取材に応じていただいたもう一人の人が、現在の有村酒造の杜氏をされている、福地成夫さんである。

福地さんは、現在の有村酒造で、最も古株の方で、有村酒造の全てを知り尽くしているという、無くてはならない存在である。

工場長である晃治さんが、有村酒造に入られたときに、最も頼りになったであろう人が、福地さんで、福地さんの舌で、「島有泉」の味を守ってきたのである。

福地さんは、与論島を出て、福岡で生活をしていたこともあったようで、福地さん以外にも、与論島の人は、ほぼ、一度は島を出て、本土で生活をして、また島に戻ってくるという話である。

福地さんの印象は、とてもほがらかな雰囲気の人で、口数こそ少ないのであるが、見るからに善人といった感じで、話しているだけで、人の良さがイノウエには伝わってきた。

福地さんも、与論島の自然を愛しているようで、与論島から沖縄県までの距離が、23kmほどで、島から向こうに見える沖縄の話をしてくださった。

福地さんの話によれば、与論島は、昔は水の確保にとても苦労したこともあったのであるが、今はそのような水の苦労はほとんど無くなったという話である。

そして、生活などのライフラインについても、ほぼ問題を感じることは無くなったそうなので、実際に与論島に住んでいる福地さんによれば、与論島は何不自由なく暮らせる島だという話だ。

有村酒造の造りのこだわり

ここからは、有村酒造の黒糖焼酎造りについて、記載していこうと思う。

有村酒造では、昔ながらの製法である、甕仕込み(かめしこみ)で常圧蒸留という伝統製法で黒糖焼酎を製造している。

与論島では、その昔、水の確保に、雨水を貯めて、その雨水を酒造りにも使用していたということがあった。

しかし今は、水道水がきちんと整備され、酒に使用される水も、水道水を使用して、酒造りに使用している。

基本的に有村酒造では、酒造りに使用する水は、仕込みに使用する硬水と、割り水に使用する、軟水の2種類の水を使用している。

一般的に、硬水といえば、飲み水として、日本では好まれにくいといった印象があるが、麹の仕込み水に使用することにより、カルシウムなどの栄養素が、酵母を活性化させるというメリットがある。

有村酒造では、麹(こうじ)には、タイ米に白麹仕込みが基本で、黒麹を使用しているラインナップも取り揃えている。

白麹の焼酎はすっきりと飲みやすく端麗な味わいなのに対し、黒麹は黒糖の素材の特徴をより反映し、黒糖の味わいをより濃く表現したいときに、黒麹を使用する。

有村酒造で使用している黒糖は、沖縄産黒糖を数種類ブレンドして使用している。

麹を甕に移し、隆起サンゴ礁の島ならではのカルシウム豊富な島水に酵母を加え、発行させ、一次仕込みを行う。

そして、米の倍の量の黒糖を、一次もろみの甕に投入して、二次仕込みを行う。

このとき、はじめのうちは、高温で黒糖を半分の量を溶かし、徐々に温度を下げて、じっくと、残りの黒糖を低温で徐々に溶かしていく。

こうすることで、黒糖の味わいをしっかりと浸透させながら、味わい深く、限りなく優しい味わいに仕上がっていくということである。

そして、昔ながらの甕で発酵させるのであるが、ここでの特徴は、甕の半分が地面に埋まっているという点である。

地上に比べ、地中の温度は比較的安定しているので、温度管理がとてもしやすいのだということ。

そして、一つの部屋の中で、クーラーをかけ、お酒が発酵するときに発生する熱を抑えながら、発酵させていく。

このように、きちっと温度管理された環境下で焼酎を発酵させることで、まろやかで味わい深い焼酎になっていくのだという。

そして、蒸留は、昔ながらの常圧蒸留を使用。

蒸留装置の先にあるタンクでは、一つのタンクの中で、上から蒸留でできた、高温の焼酎に対し、下からの冷却装置で冷やされた焼酎の2種類の温度を体感できるという、不思議なタンクマジックを感じることができる。

そして、最後に瓶詰めの作業なのであるが、この作業が人力で瓶詰めを行っているため、かなりの重労働になっている。

瓶詰めされた焼酎に、ラベル貼り付け用のラインに流し、2種類のラベルが貼り付けられていく。

有村酒造では、これらの作業のほとんどの作業を、人力で行っているため、手間暇がかなりかかっている分、その分だけ、人の手のかかった、味わい深い、優しい味わいに仕上がっているというわけだ。

焼酎造りというのは、想像している以上に、手間暇をかけて、製造しているのである。

有村酒造の製造工程を見てみると、現在の焼酎の価格のなんと安いことか。

手間暇を惜しまずに丁寧に造られた1本1本を、島の人たちは、真心込めて造られてるということを理解しているからこそ、島民が愛してやまないお酒になるというものである。

「島有泉」は食前酒にぴったり!

与論島のソールフードである「島有泉」は、冷蔵庫で瓶ごと冷やして、生(き)で飲むのが基本的な飲み方であるといえるが、実は、「島有泉」は、食前、食中、食後など、どの場面で飲んでも活躍できる焼酎である。

有村酒造のホームページにも、「島有泉」は食中酒として、どんな料理にも合う焼酎で、例えば、脂っこい料理に対しても、口の中の脂分を流し込んでくれるということで、あらゆる場面で活躍できると記載されている。

実際、与論島では「島有泉」は、あらゆる場面で飲まれており、場合によっては、夜中まで飲んでも、飲み続けられるという、優しい味わいのお酒だといえる。

ここで、イノウエが提案したいのは、このお酒、単なる、与論島のウェルカム酒という位置づけに留まらず、日本のいわば、食前酒としてぴったりではないかと思うのだ。

例えば、皆さんが旅行先で、民宿で晩御飯を食べようと思ったときに、部屋食あるいは食堂などで、セットの食事をいただく際に、食前酒を必ず飲むと思うのである。

「島有泉」はいわば、黒糖焼酎であるので、黒糖の甘さを感じることができるほか、焼酎というお酒は、糖質0、プリン体0という、他のアルコールと比べて、健康に一番近いお酒である。

さらに言うと、黒糖焼酎は、黒糖自体が栄養の塊のようなものなので、黒糖焼酎自体は、とても健康的なアルコールであるといえるのだ。

焼酎が健康的というと大げさかもしれないが、実際、奄美諸島の徳之島などは、黒糖焼酎というお酒を島民が愛飲しているにも関わらず、ギネスブックに載ったことあるほど、長寿の島となっている。

「島有泉」が食前酒としてオススメなのは、何も健康面だけを言っているのではない。

「島有泉」は、とにかく優しい味わいなのだ。

この味わいは、イノウエが思うに、どの他の黒糖焼酎に比べても、群を抜いて、一番といえるほどの優しさだと思うのだ。

あなたも民宿に泊まったときに、晩御飯の食前酒には、甘くて、それでいて、限りなく優しいお酒がぴったりだと思わないであろうか?

もしこの記事を読んでいる人の中で、旅館や民宿の関係の人がいたとしたら、ぜひとも「島有泉」を、晩御飯の食前酒に置いて欲しいと思う。

イノウエも、妻が、三重県の、とある旅館で飲んだ食前酒の味わいが忘れられないと、わざわざそのお酒を取り寄せたという経緯がある。

あなたが宿泊した旅館の晩御飯の食前酒が「島有泉」であったとしたら、あなたも「島有泉」の味が忘れられなくなり、送料を支払ってでも、取り寄せたいと思うに違いない。

有村酒造の具体的な製品をご紹介

ここでは、有村酒造が製造する、代表的な黒糖焼酎の銘柄のうち、いつくかの銘柄について、紹介していこうと思う。

「島有泉」

度数:20度

蒸留方式:常圧蒸留

「島有泉」については、これまでも解説してきたので、改めて解説する必要はないと思うが、簡単に解説を述べていこうと思う。

「島有泉」は、常圧蒸留ながら、限りなく優しい味わいに仕上がっている、大変飲みやすいお酒である。

「島有泉」は基本的にそのままで、生(き)で飲むように造られており、もともとの度数も20度と低めに設定されている。

ただ、このお酒は、お湯割りや水割りなど、どのような飲み方にも対応することができる、万能なお酒であり、夏などは、ソーダ割りやレモンサワーにして飲んでも、美味しくいただけるお酒である。

もし、あなたの周りで、お酒は好きだけど、焼酎が苦手という人がいたとしたら、是非ともこのお酒をオススメしたものである。

与論島のウェルカム酒は、万人受けする味なので、焼酎初心者にぴったりのお酒である。

以下より黒糖焼酎「島有泉」の購入サイトへのリンクに移動する。↓

奄美黒糖焼酎「島有泉」20度1800ml [ 焼酎 鹿児島県 1800 ](アマゾン)

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「島有泉 黒麹仕込み」

度数:20度

蒸留方式:常圧蒸留

黒糖焼酎「島有泉」は、基本的に白麹を使用して製造されているが、こちらは黒麹使用のお酒である。

焼酎通が好む味わいといったら、むしろ黒麹仕込みの方のお酒で、最近では、芋焼酎の黒麹仕込みの銘柄などが、密かにブームになっていたりする。

もともとは、白麹に比べ、黒麹の方が、南西諸島では主流であった。

白麹というのは、黒麹の突然変異で出現した新しい麹であり、黒麹に比べて、白麹は、端麗で飲みやすいといった特徴がある。

それゆえ、黒麹仕込みのお酒の方が、素材の特徴をより反映したものであり、「島有泉 黒麹仕込み」は、白麹のものに比べて、黒糖の風味や奥行きをより感じられる商品となっている。

「島有泉 黒麹仕込み」は黒麹仕込みといっても、有村酒造で製造している黒糖焼酎は、基本、優しくて飲みやすい商品というのが特長。

「島有泉 黒麹仕込み」と「島有泉」の白麹の製品を飲み比べてみても、面白いのではないかと思う。

以下より黒糖焼酎「島有泉 黒麹仕込み」の購入サイトへのリンクに移動する。↓

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「与論島ハイボール」

度数:7度

蒸留方式:常圧蒸留の古酒40度の「島有泉」を使用して製造

「与論島ハイボール」は、島有泉20年古酒(アルコール度数40度)を使用した与論島ハイボールでアルコール度数は7度と、大変飲みやすくなっている。

20年古酒を使用したハイボールというのは、何とも贅沢な品ではあるが、実はこのお酒、コロナで家飲み用に、開発したんだとか。

有村社長によると、入手可能な国内のハイボールを全て集め、開発の参考にしたとのことである。

「与論島ハイボール」は、口当たりや飲みごたえ、香りを含め『飽きのこない』後味に仕上げたということである。

とても気合の入った商品なので、ハイボール好きならば、この贅沢な一品を試さない理由はないであろう。

美味しいことは決まっているので、できれば、オンラインショップで、まとめ買いをしたいところだ。

イノウエも、奄美群島のお酒を購入するときは、決まってまとめ買いをすることにしている。

少しでも送料を安くして、コスパ良く、美味しいお酒を楽しみたいものである。

以上ではあるが、他にも記載していない製品はたくさんある。

みんなも、是非とも、有村酒造のホームぺージなどで、この蔵元が製造している黒糖焼酎をチェックしていただきたいと思う。

与論に愛されている有村酒造が全国に知れ渡る日も近い

ここまで、有村酒造について、ご紹介してきた。

有村酒造は、与論の人々に心から愛されている蔵元であり、「島有泉」は、与論の人々や、島外から来た客人などと、繋がりを持つために必要な潤滑剤である。

もし、これをお読みの読者さまが、「島有泉」を飲んだことが無いのであれば、それは、焼酎好きならば、飲んでおくべき商品なので、ぜひとも試していただきたいと思う。

与論島では、何百年も昔から、自宅に招いた客人を、自宅で造ったお酒でおもてなしをするという文化があったのだという。

そのような古い歴史があって、その歴史を継承しているのが、与論島のおもてなし儀式である、「与論献奉」なのだ。

現在、奄美群島や沖縄が、世界自然遺産に登録されたことで、この周辺の島々に対する注目度が上がっている。

そして、初めて奄美群島を訪れた人々は、奄美のお酒のあまりの美味しさに、驚く人も多いのだと思う。

当然、与論島も、本土では造れない、ここでしか造れないお酒である、黒糖焼酎のメッカであり、「島有泉」は、今日も多くの人々の架け橋になっている。

イノウエは、そのような与論島の文化をとても嬉しく思い、古き良き日本がここにはあったんだと、与論島への興味をなお一層持ったのであった。

今日も、「島有泉」が本当にどこまでも、優しくて美味い!

今回の記事は以上になります。

ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。

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