提供元:新納酒造GoogleMapより
最近、焼酎といえば、飲みやすいというキャッチフレーズのものが多くなったのだという。
確かに、焼酎の中で最も売れている「黒霧島」も随分と飲みやすい銘柄である。
ただ、焼酎だけを飲酒する場合は飲みやすい焼酎が最高なのであるが、料理と合わせるとなると、単に飲みやすいというよりかは、料理の味わいを引き立てたりするのに好みが変わってくる。
これをお読みの読者さまの中で、とにかく焼肉などの肉料理が好きな人がいたのであれば、料理に合わせて飲むお酒というのも、酒感がある程度は感じられないと気が済まない人もいるのではないだろうか?
黒糖焼酎と言えば、どちらかというと、芋焼酎などに比べると、肉料理に負けてしまって、どうしても味気ないものになってしまうと感じる人もいるのかも知れない。
提供元:新納酒造Facebookより
ここで、料理に対するお酒のあり方について、人によって解釈が異なってくるので、どのお酒が料理に合うとか合わないとかは、本当に人の好みにもよるのである。
例えば、肉→酒→肉→酒の無限ループを思いっきり感じたい人は、酒のクセがある程度ある銘柄の方が、料理に合うお酒ということになる。
また、肉の味わいをなるべく余韻を味わいながらお酒を飲みたいという人は、肉の旨味を受け流して長引かせる、クセの無いお酒の方が料理に合うということになる。
今回ご紹介したいのは、肉→酒→肉→酒の無限ループを思いっきり感じたい人向けの黒糖焼酎である。
このようなシチュエーションを最も感じることができるのが、イノウエが思うに、バーベキューの時ではないかと思う。
イノウエの場合、バーベキューでビールを飲むと、ビールの炭酸でお腹がパンパンに膨れ上がってしまい、肉が存分に味わえなくなってしまう。
だから、イノウエがバーベキューでお酒を楽しむためには、黒糖焼酎が必須のアイテムとなるのだ。
バーベキューにおいて、屋外で豪快に焼肉を焼いて味わうのに対して、最高の組み合わせとなるのが、新納酒造が製造する黒糖焼酎「天下一」である。
「天下一」はほど良い辛さと甘さが脳内を刺激しながら、豪快に肉をほうばって、酒感と肉汁の無限ループを楽しむことができる銘柄は他にない。
「天下一」は、バーベキュー以外にも、餃子や唐揚げなど、肉汁たっぷりの料理には最高の組み合わせである。
新納酒造では、「天下一」以外にも、ここでしか味わうことのできない特別な黒糖焼酎というものがある。
それが、仕次ぎ法という方法で焼酎を熟成に熟成を重ねて古酒の味わいを最大限に引き出した黒糖焼酎「水連洞」だ。
「水連洞」は原料の黒糖の香りと旨味を最大限に引き出し、トロミのある黒糖焼酎で幸せの余韻を楽しむことができる。
こんなふうに、新納酒造では、パンチのあるというよりかは、フルボディタイプの男気たっぷりの銘柄を中心に、インパクトのある黒糖焼酎を製造している。
さらには、新納酒造では、減圧蒸留機も蔵の設備としてあるので、「をちみづ」などの減圧蒸留酒も製品化され、幅広いラインナップの商品を取り揃えているのだ。
今回のこの記事では、そんな男気の強い、または優しさのある黒糖焼酎を製造している新納酒造について、ご紹介していきたいと思う。
近年の焼酎ブームが牽引してライトな黒糖焼酎が出て、女性にも親しまれるように
提供元:新納酒造Facebookより
焼酎というと、最近でこそ女性の飲酒も確認されるようになったのであるが、まだまだ男性の飲み物といった印象が強い。
イノウエも今から20年以上も前には、イノウエが活動拠点としている大阪や京都では、焼酎を飲むという文化がほとんど無かった。
イノウエの記憶では、関西で焼酎を飲むといえば、九州出身の人が飲み屋で焼酎を注文してお湯割りで飲んでいる風景を見て、「それ何ですか?」と聞いたのが始まりである。
もともとは、焼酎の消費といえば、九州での消費がほとんどであったのであるが、たまに来る焼酎ブームの到来で、日本全国に焼酎の存在が知られるようになる。
しかし焼酎はまだまだ日本酒やウイスキーなどに比べて全国的な消費量がまだまだ少なく、魅力がないから消費されていないのではなく、知られていないから消費されていないといった感じである。
ここで、これまで3回訪れた、焼酎ブームというものを振り返ってみよう。
焼酎ブームをまとめると、以下のようになる。
提供元:新納酒造Facebookより
昭和50年~昭和55年(1970年代後半)
テレビコマーシャルがきっかけになり、「焼酎のお湯割り」が一大ブームになった時期である。
それまで「酒」といえば清酒(日本酒)といった印象であったが、冬の寒い時期などに、焼酎の「お湯割り」という飲み方を宣伝することで、一気に人気が広まったのである。
昭和56年~昭和60年(1980年代前半)
「缶酎ハイ」が一世を風靡し、甲類焼酎が飛ぶように売れたブームの時期である。
暑い夏などに「缶酎ハイ」は、飲みやすい、安いというキーワードと、バブル直前という好景気も相まって、若者を中心に「焼酎を飲む文化」が定着するようになる。
平成13年~平成17年(2000年代前半)
平成15年(2003年)、本格焼酎ブームがやってくる。
それまでは麦焼酎が中心だった本格焼酎市場に、芋焼酎が参入。
主に酎ハイのベースとして認識されていた焼酎が、焼酎そのものを「味わいながら飲む」といった、大人の飲み物として親しまれるようになったのである。
提供元:新納酒造Facebookより
この、3回目の焼酎ブームでやっと、焼酎自体を楽しむといった文化が広がり、黒糖焼酎を製造している奄美諸島においても、生産が追い付かない状況になったのだという。
このような状況の中で、奄美諸島においても味わいの好みなどに、変化が生じてきたのだという。
それまで、焼酎といえば、男性が中心で飲んできたお酒だったので、黒糖焼酎といえど、無骨で辛く、フルボディタイプの焼酎というのが元来の主流であった。
そんな中、3回目の焼酎ブームをきっかけに、女性にも親しまれやすい減圧蒸留酒のような飲みやすい焼酎というものがどんどんと販売されるようになり、沖永良部島においてもその波が押し寄せてきた。
つまり、沖永良部島で製造されている黒糖焼酎ではなく、奄美大島などで製造されている黒糖焼酎が親しまれるようになっていったとのことだというのだ。
提供元:新納酒造Facebookより
つまり、沖永良部島の黒糖焼酎にも危機的な状況というものが押し寄せてきたのだといのである。
このような背景から、沖永良部島でも減圧蒸留の焼酎が製造されるようになり、フルボディタイプの黒糖焼酎の島で、良い意味で幅の広いラインナップの焼酎が揃うようになったのである。
沖永良部島をこれから訪れる人は、美食の島と言われるこの島で、美味しい料理といろいろな飲み口の黒糖焼酎を楽しめるという、まさに飲兵衛にとって楽園の島である。
料理に合わせて、いろいろな種類の黒糖焼酎をぜひとも味わっていただきたいものである。
沖永良部島ってどんな島なの?
提供元:おきのえらぶ島の旅
みなさんは、沖永良部島(おきのえらぶじま)をご存知だろうか?
ここでは、沖永良部島のことを以下に簡単に解説させていただこうかと思う。
ただ、沖永良部島についての詳しい内容については、別の記事でガッツリと紹介記事を作成しているので、ここでは、簡単な紹介だけにとどめておこうかと思う。
まず、沖永良部島は、奄美群島の中でも、南に位置する島で、徳之島(とくのしま)と与論島(よろんとう)の間に位置する。
昔、沖永良部島は、西暦1400年ごろは、琉球王国(現在の沖縄県)に支配されていたこともあり、奄美群島の中で、徳之島と沖永良部島との境で、沖縄色が濃い島になっている。
徳之島以北は、三線の音階も和音階を使うのであるが、沖永良部島以南では、琉球音階が使用されている。
つまり、沖永良部島と与論島では、沖縄の音楽、沖縄の料理、沖縄の風土などが色濃く反映されている島なのである。
沖永良部島にも空港である、沖永良部空港があり、沖永良部島への飛行機でのアクセスは、鹿児島・奄美大島・沖縄から毎日就航している。
ここでは、沖永良部島の中でも、新納酒造周辺の観光スポットについて、いくつか簡単にご紹介していきたいと思う。
新納酒造株式会社
提供元:新納酒造GoogleMapより
新納酒造は沖永良部島に2か所の拠点がある。
沖永良部島の最南端の海岸に面した知名に販売の拠点となる事務所がある。
そして、新納酒造の工場はというと、知名町田皆で知名町でも西側の陸地にあり、事務所とは少し離れた場所にある。
新納酒造までのアクセスは、沖永良部空港から車で約30分強のところにあり、島内の公共交通手段でもアクセスすることができる。
工場見学も受け付けていて、試飲もできるということなので、沖永良部島に訪れた際は、是非とも訪れてみよう。
沖泊海浜公園(おきどまりかいひんこうえん)
提供元:鹿児島県観光サイト
沖泊海浜公園は奄美群島の沖永良部島にある海水浴場である。
海水浴場のある地域は熱帯植物であるアダンの群生地となっており、ビーチの周りで生い茂ってる。
これらは文化財とされ「奄美群島国定公園第1種特別地域」の指定を受けている。
海岸のすぐ裏に山があり緑豊かな海浜公園となっている。
また、この海岸は映画「ゴジラVSスペースゴジラ」のロケ地にも使用されたとのことである。
田皆岬(たみなみさき)
提供元:鹿児島県観光サイト
田皆岬は島の北西端にある美しい岬で、奄美群島でも特に美しい場所である。
サンゴ礁が隆起した高さ51mの断崖絶壁で、東シナ海に突き出した崖から見下ろすコバルトブルーの海の景観と、白い波しぶきが岩を洗う荒々しい風景は圧巻の眺めである。
岬を西へ進むと、石灰岩の台地が風雨によって浸食され、白く尖った岩々が地表面に現れたカルスト地形らしい光景を確認することができる。
シニキニャ浜
提供元:おきのえらぶ島の旅
ガジュマルの巨木が枝を広げる木のトンネルを抜けると、琉球石灰岩に囲まれたビーチに出る。
シニキニャ浜では、アーチ上のワイルドな岩の洞窟や、南国の植物、中央には「夫婦岩」と呼ばれる2つの巨岩が望める。
シニキニャ浜は、週末は島民で賑わう手つかずの自然が残る美しいビーチである。
またここは、透き通るような海と水平線に沈む夕日のスポットでもある。
NHK大河ドラマ『西郷どん』のロケの浜としても有名な場所。
フローラルパーク
提供元:おきのえらぶ島の旅
フローラルパークは、スポーツや憩いの公園として島民に親しまれている運動公園である。
公園内には、テニスコート・グランドゴルフ場・ゴーカート場・各種遊具などがあり、子供からお年寄りまで幅広く楽しめるスポットとなっている。
ここでは、週末はスポーツをする人や遊具で遊ぶ子ども達で賑わっている。
またフローラルパークは、海も近く、緑が多くて気持ちがいいのでお散歩コースにもおススメである。
新納酒造の歴史について
提供元:新納酒造GoogleMapより
ここで、新納酒造のこれまでの生い立ちについて、述べて行こうと思う。
※ 本内容については、かなりの内容を、「あまみの甘み あまみの香り」鯨本あつこ・石原みどり 著から引用しています。
提供元:新納酒造Facebookより
新納酒造の創業は、大正9(1920)年、知名町田皆(たみな)集落出身の初代・新納政明(にいろ・まさあき)氏が、現在の知名町役場前に蔵を開いた。
現在は事務所を知名、製造工場を田皆に置いている。
現在、蔵元の代表を務めるのは、新納秀浩(にいろ・しゅうこう)社長。
また、工場長兼杜氏を務めているのが、新納仁司(にいろ・ひとし)氏である。
新納酒造では、この記事を書いている2023年時点で、創業103周年を迎える、老舗中の老舗の蔵元となっている。
新納仁司から見ると、新納秀浩社長は叔父にあたるそうで、新納酒造の代表の座を将来的には引き継ぐ予定である。
新納酒造の黒糖焼酎の造りのこだわり
提供元:新納酒造GoogleMapより
ここからは、新納酒造の、黒糖焼酎造りの蔵元のこだわりや特徴について、記載していこうと思う。
沖永良部島の蔵のほとんどが、米の倍量の黒糖を用いて焼酎を造っているのであるが、新納酒造も同じく、ひと仕込みに黒糖600キログラム、米300キログラムを使用している。
新納酒造では、麹(こうじ)はタイ米に白麹造りで行っていて、原料の黒糖は沖縄産とボリビア産を使用している。
仕込み水には、島の硬水を用いているが、割り水には逆浸透膜式の浄水機で処理した水を使用していて、純水に近いため、原酒の持ち味がストレートに表れるのだという。
沖永良部島では、地下の洞窟を流れるクラゴウ(暗川)と呼ばれる川や、ホーと呼ばれる泉が貴重な水源として利用されてきた。
蔵で使う冷却水は、集落に伝わるクラゴウから引いている。
提供元:新納酒造GoogleMapより
新納酒造での造りの特徴として、一次仕込みから三次仕込みまでを、約4キロリットル容量の大型ホーロータンクひとつで仕込むのが特徴となっている。
一次もろみに蒸気で溶かした黒糖を二回に分けて加え、じっくりと発酵させながら黒糖の風味を引き出している。
平成21(2009)年発売の「天下無双(てんかむそう)」では、鹿児島県工業技術センターが開発した、常温の一次もろみに黒糖を直接投入する製法をいち早く取り入れた。
この、常温の一次もろみに黒糖を直接投入する製法を使用することにより、黒糖らしい甘く豊かな風味を実現させることができた。
新納酒造では、蒸留機は、常圧蒸留機・減圧蒸留機をそれぞれ銘柄によって使い分けている。
蒸留後の原酒は、冷却ろ過を経て貯蔵するのであるが、その際に使用するのは、酪農用のミルククーラーである。
提供元:新納酒造GoogleMapより
蒸留したての温度28度ほどの原酒を温度5度位まえ冷却すると、原酒に溶け込んでいた油脂分が浮き出るため、雑味の原因になる不要な油脂分を効率よく取り除くことができる。
代表銘柄の「天下一(てんかいち)」は1年間以上貯蔵して出荷されている。
ほかに泡盛と同じ「仕次(しつぎ)」法で5年間以上貯蔵した古酒銘柄「水連洞(すいれんどう)」などがある。
貯蔵年数ごとに貯蔵タンクを分けて、半年から1年おきに貯蔵年数の近い原酒を注ぎ足していくことで、アルコールの蒸発による原酒の減りや風味のボケを補いながら長期熟成が可能となる。
新納酒造では、ほとんどの作業を昔ながらの手作業を守りながら製造している。
主に、黒糖や米などの仕込み際などは、持ち運びも人手で行っているため、焼酎造り全体を通しても、かなりの重労働になるという話である。
インタビューに応じていただいた方をご紹介
提供元:新納酒造Facebookより
今回、イノウエの取材でインタビューに応じていただいた人について、記載していこうと思う。
新納 仁司 (にいろ・ひとし)氏
提供元:新納酒造Facebookより
今回、取材に応じていただいたのが、新納酒造の新納仁司氏である。
仁司さんは、とても落ち着きのある、低音で渋みのある、男気のあるイメージの方である。
仁司さんが高校を卒業したあと、鹿児島の大学に進学するために4年間ほど島を出られた経験をお持ちのようであるが、その後すぐに、沖永良部島に戻って、蔵の仕事のお手伝いをされたとのこと。
新納酒造として目指している味について聞いてみたところ、昔からの味を変えないことが、新納酒造として目指している味だということのようである。
沖永良部島で昔から愛され続けた味を守っていくというのはとても大切なことで、そういう信念が、蔵元を100年以上も維持させてきたのだと思った。
沖永良部島の魅力について、たくさんある中で、特にオススメのポイントを聞いてみると、工場の近くにある田皆岬からの夕日がきれいでオススメとのことだ。
きれいな夕日が見えるようなポイントが職場のすぐ近くにあるという環境は、沖永良部島ならではの環境といったところで、とても良い環境だと思った。
提供元:新納酒造Facebookより
イノウエは、味の濃い黒糖焼酎と薄い黒糖焼酎を並べて飲み比べながら飲むという楽しさを味わって飲んでいるのであるが、仁司さんのオススメは、夏は炭酸割り、冬はお湯割りがオススメとのこと。
沖永良部島では温厚な人々しかいないといった印象があるが、そんな沖永良部島では、奄美諸島の中でも濃い黒糖焼酎を製造しているといった印象の島である。
仁司さんに聞いても、沖永良部島では結構なお酒好きが多いということのようで、島の夜は外は早く閉まるが、家の中で遅くまで晩酌が続いているとのことである。
そんな、酒豪(恐らく私より)の仁司さんは、サッカーをやっていたご経験があるようで、近くの少年サッカーチームの指導にもあたっているという。
提供元:新納酒造Facebookより
焼酎の味の管理人で、サッカーの実力のある人なんて、とても男らしくて格好いいではないか。
仁司さんに好きな黒糖焼酎の銘柄を聞いて見ると、問答無用で「天下一」という回答が返ってきた。
どうも、「天下一」という銘柄は、仁司さんにとって味の原点のような味のようで、新納酒造では、「天下一」を味の基本にして、いろいろな銘柄の味ができているようである。
新納酒造では、製品の味を毎年同じにキープするため、古いお酒をブレンドさせながら新しいお酒を製造しているとのことである。
お酒のブレンドというのはいろいろな意味で重要な役割を担っており、新納酒造においてもブレンド酒という方法で、味に幅を持たせているのだという。
黒糖焼酎の蔵元の中でもひと際硬派な印象がある新納酒造の工場長である仁司さんは、話していても、とても男気のような印象を感じる人であった。
「天下無双」が「令和4年鹿児島県本格焼酎鑑評会」で優等賞を受賞
提供元:新納酒造Facebookより
新納酒造で比較的新しい銘柄といえば、平成21年(2009)年に販売が開始された、黒糖焼酎「天下無双」が挙げられる。
この銘柄は、鹿児島県工業技術センターが開発した常温の一次もろみに黒糖を直接投入する製法となっていて、黒糖らしい甘く豊かな風味を実現した銘柄となっている。
黒糖を常温で溶かすとなると、高温に比べて時間もかかる工程になるので、手間暇を惜しまずといった取り組み姿勢が素晴らしいと思う。
このたび、「天下無双」が「令和4年鹿児島県本格焼酎鑑評会」で優等賞を受賞した。
鹿児島県本格焼酎鑑評会は、その年の酒造年度に製造された本格焼酎を対象に、熊本国税局鑑定官室をはじめ6名の専門家により銘柄を伏せた状態で審査を行う鑑評会のこと。
ここでは、味や香り等を5段階で総合評価し、芋焼酎、黒糖焼酎、米・麦焼酎の部門ごとに優秀と認められたものに対して優等賞が授与される仕組みになっている。
提供元:新納酒造Facebookより
令和4年である2022年の「鹿児島県本格焼酎鑑評会」では黒糖焼酎部門より12点が優等賞が授与されることになった。
イノウエ的には、賞といっても、各銘柄の全ての魅力を伝えているというわけではないので、あくまで参考程度と考えているが、参考にするにはとても分かりやすい取り組みだと思う。
「天下無双」は、35度という度数を感じさせない飲みやすさという点においては、新納酒造の中でもとりわけ飲みやすい銘柄だと言える。
イノウエも度数の高い焼酎をロックで飲むことは機会としては随分と少なくなったのであるが、たまに無性に度数の高いアルコールが飲みたくなるときがある。
イノウエに限らず、例えば、男性が女性にフラれたときなどは、度数の高いアルコールが無性に欲しくなるのではないだろうか?
そんなときに、度数が高くても飲みやすくて、美味しいアルコールだったら、なおのこと嬉しいはずである。
「天下無双」はアルコール度数35度と、比較的珍しい度数になっているので、高すぎず低すぎずといったアルコール度数を求めている人にとって、有難い度数ではないかと思う。
もちろん、「天下無双」は失恋のときだけがオススメな銘柄ではなく、いつ何時でも美味しくいただける黒糖焼酎である。
ぜひ、「令和4年鹿児島県本格焼酎鑑評会」で優等賞の味わいを味わっていただきたいものである。
新納酒造の具体的な製品をご紹介
提供元:新納酒造Facebookより
ここでは、新納酒造が製造する、代表的な黒糖焼酎の銘柄のうち、いつくかの銘柄について、紹介していこうと思う。
「天下一(てんかいち)」
度数:30度
蒸留方式:常圧蒸留
これまでの説明でも述べてきたのであるが、黒糖焼酎「天下一」は、新納酒造の代表銘柄である。
沖永良部島では、黒糖の甘い香りと風味が効いた、パンチのある黒糖焼酎が多い中、とりわけフルボディ系として存在感の強い銘柄なのがこの「天下一」である。
黒糖焼酎「天下一」は、パンチの効いた甘さと辛さ
その一次仕込みのときに、麹菌が、仕込み水に含まれている栄養素を取り込んで良く育つためか、リッチな甘味と苦みが同時に押し寄せてくる印象がある。
このお酒、飲みごたえがあり、フルボディ系の男っぽいイメージの黒糖焼酎になっている。
このお酒は、脂っこい料理などにも対応でき、ロックやお湯割りなど、幅の広い飲み方が楽しめるので、年中楽しめる銘柄となっている。
また、バーベキューとの相性が抜群で、季節の良い時期のバーベキューのお供にぜひ持参して味わっていただきたいものである。
造りの際に、黒糖の割合が多く使われているので、しっかりとした甘さを感じることができ、満足のいく味わいが楽しめる銘柄となっている。
新納酒造といえば、まずはこの「天下一」がオススメである。
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「水連洞(すいれんどう)」
度数:40度
蒸留方式:常圧蒸留
黒糖焼酎「水連洞」は、泡盛の技術である「仕次ぎ法」で製造された長期貯蔵酒となっている。
「仕次ぎ法」とは、親酒となる年代物の古酒に それより少し若い古酒を次ぎ足すことで、古酒の熟成した香りや芳醇さを保ちながら古酒の品質を管理する方法のことである。
「仕次ぎ法」はもともとは一般家庭で古酒の味わいをお気軽に楽しめる手法として用いられてきた方法であるが、この方法を製品に取り入れて販売している黒糖焼酎はほとんどない。
もともとは、黒糖焼酎などは、古酒であればあるほど、味わい豊で、まろやかになり、美味しく楽しめるようになっているのだ。
「水連洞」は洞窟の島である沖永良部島らしい黒糖焼酎で黒糖の甘い芳醇な味わいが感じられるトロミのある贅沢な味わいが楽しめる一品となっている。
芳醇な黒糖の甘い味わいに、さわやかなフルーティーな味わいと、トロミによる幸せな余韻で味わうことのできるヘビー級のお酒である。
記念日などに飲んでも十分に楽しめる贅沢なお酒。
あなたの食卓を豪華に彩る一品として、ご賞味してみてはいかがだろうか?
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「天下無双(てんかむそう)」
提供元:新納酒造Facebookより
度数:35度
蒸留方式:常圧蒸留
黒糖焼酎「天下無双」は、鹿児島県工業技術センターが開発した、常温の一次もろみに黒糖を直接投入する製法をいち早く取り入れた2009年から発売の銘柄。
黒糖らしい甘く豊かな風味を実現した黒糖焼酎である。
このお酒は、先にも述べたが、2022年の「令和4年鹿児島県本格焼酎鑑評会」で優等賞を受賞した焼酎で、黒糖の芳醇な甘さとさわやかなキレが後味を良くしている銘柄である。
新納酒造では、「天下一」や「天下無双」などの「天下」を意識した名前が命名されるのも、1945年の第二次世界大戦で蔵が消失してしまってからの再建という大きな偉業を成し遂げたことが由来になっている。
このお酒は、フルボディタイプの「天下一」とは違って、度数35度を感じさせないほどに飲みやすい銘柄になっていて、ロックで飲むのがオススメの飲み方である。
度数が通常より高く設定されている銘柄は、その度数で飲むというのが通の飲み方で、ウイスキーよりも少し薄めのロックといったイメージ。
度数40度は少しキツイという人には35度という度数はオススメの度数になっている。
蔵元の中でも最新の技術を取り入れた比較的新しい銘柄となっているので、「天下一」や「水連洞」のあとで、是非とも試したい銘柄である。
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天下無双 化粧箱入6本セット〔黒糖焼酎500ml×6本〕(アマゾン)
「をちみづ」
提供元:新納酒造Facebookより
度数:25度
蒸留方式:減圧蒸留
比較的パンチの効いた黒糖焼酎が多い沖永良部島でも、近年の減圧蒸留酒の登場のあおりを受け、ライトな感覚で飲めるお酒の需要が高まってきた。
そのような中、新納酒造でも減圧蒸留機を導入し、試行錯誤を経て商品化したのが黒糖焼酎「をちみづ」である。
「をちみづ」という名前の由来は、月にあると信じられた若返りの水というのが銘柄の由来になっている。
「をちみづ」は度数も25度いう飲みやすい度数に設定されているので、焼酎の初心者でも飲みやすい銘柄となっている。
黒糖焼酎「をちみづ」はほんのりとフルーツ臭のような心地よい香りとドライなのど越しが特徴のお酒となっている。
女性向けにたいへん飲みやすい飲み口となっているので、少しパンチの効いた銘柄よりも飲みやすさを追い求めたい人にはオススメの銘柄である。
この銘柄も、黒糖の割合が多く造られているので、黒糖の芳醇な香りと味わいがライトに楽しめる銘柄となっている。
また、減圧蒸留酒は、お湯割り、ロック、炭酸割りなど、幅の広い飲み方に対応力があるため、年中楽しめる銘柄となっている。
黒糖焼酎の初心者も、この銘柄であれば安心して飲める銘柄であろう。
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新納酒造 黒糖焼酎 をちみづ 化粧箱入6本セット 鹿児島県(アマゾン)
沖永良部島の硬派な蔵元である「新納酒造」は今も手間暇かけて黒糖焼酎を製造し続けている
提供元:新納酒造Facebookより
ここまで、新納酒造について、記載させていただいた。
黒糖焼酎を製造している奄美諸島の中でも、沖永良部島では、黒糖と米との製造比率でとりわけ黒糖の比率を多く用いている蔵元ばかりで、パンチの効いた黒糖焼酎が製造されている。
そんな沖永良部島の中でも、とりわけパンチ力のあるフルボディタイプの黒糖焼酎が「天下一」である。
とにかく「天下一」は、脂っこい肉料理にとても良く合う黒糖焼酎で、若い男性に超オススメの銘柄である。
また、泡盛の「仕次ぎ法」の技術を用いて商品化されている「水連洞」もとても面白い。
「水連洞」はまろやかでとても飲みやすく、度数も40度に設定されてるので、「ブランデー」の代用品として、あるいはブランデーから乗り換えるお酒としてとてもオススメな銘柄である。
沖永良部島は、地底の奥で洞窟が広がる島で、地上は景色が絶景で、地底は洞窟が絶景と、自然の見どころが満載の島である。
そんな沖永良部島では、地底の奥で洞窟が広がっていることから、使用できる水が基本、硬水であるということが、一次仕込みの原酒の味わいにとても変化を与えているということである。
提供元:新納酒造Facebookより
硬水に含まれているミネラルは、醪や麹にとって、とても栄養価の高いものなので、発酵の過程がとても活発に行われることになるのである。
そのため、ここで製造されている黒糖焼酎は、他の島にはない栄養素を含んだ黒糖焼酎になるので、独特の味わいになって表現されることになるのだ。
新納酒造の代表銘柄である「天下一」がフルボディタイプの黒糖焼酎になるのも、こういったこの島での水事情などが大きく影響を及ぼしているのだろう。
島のお酒は島の料理にとても良く合い、そして、美食の島である沖永良部島の料理に合うということは、日本本土のどの料理好きにもたまらなく美味しいお酒となる。
だから、沖永良部島で製造されている黒糖焼酎は他の地域で作っているものに比べても美味しいお酒ができあがるのは当然だといった感じだ。
イノウエは、唐揚げに「天下一」をお湯割りで楽しんでいた。
「天下一」と唐揚げのコンビネーションは本当に最高の組み合わせだ。」
「天下一」は、お湯割りでももちろん美味しいのであるが、ロックで飲んでも最高の味わいなのである。
これをお読みの読者さまも、昼間や晩の浅い時間で、しっかりと酒感を味わいたいのであれば、「天下一」のロックが最高に美味しいので、ぜひ試していただきたい。
今回の記事は以上になります。
ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。