クラシック音楽が育てた上品な、売り上げNO.1黒糖焼酎「れんと」
クラシック音楽といえば、上品な音楽の代名詞ではないだろうか。
筆者であるイノウエも、クラシック音楽の愛好家の一人であり、クラシック音楽を演奏する過程というのは、ロックミュージックを演奏する過程と大きく違い、一音一音の音質に徹底的にこだわり、何度も何度も音合わせを行って、丁寧に丁寧に音楽を仕上げていくのだ。
もし、クラシック音楽と同じようなお酒、いや、そんな焼酎があったのだとしたら、そんな上品な焼酎はきっと、多くの女性たちを虜にしてしまうに違ない。
奄美大島開運酒造が製造する、黒糖焼酎「れんと」は、現在、黒糖焼酎売り上げNO.1を誇る、黒糖焼酎の中の王様的な存在である。
クラシック音楽が育てた焼酎?
これを聞いて疑問に思う方も多いのではないかと思う。
解説しよう。
黒糖焼酎「れんと」のラベルに、「音響熟成」という文字が貼っている。
この、音響熟成というのは、焼酎を熟成させるタンクの中に、音楽の振動を伝える装置が貼り付けてあり、その振動で焼酎が熟成されるという仕組みになっている。
なんとも洒落た、製造方法ではないか。
このようにしてクラシック音楽によって育てられた「れんと」は、その音楽のとおり、とても上品で、全くクセの無い、黒糖焼酎初心者向け、いや、焼酎初心者向けのお酒といっても過言ではない。
「れんと」は、焼酎が苦手な女性が飲みやすいように、開発された商品なのだ。
この、「音響熟成」と、「女性向け」というコンセプトが見事に的中し、現在、全黒糖焼酎のうち、最も売れている黒糖焼酎となったのだ。
これを読んでいる読者の中にも、そんな黒糖焼酎なら、焼酎にこれまで、あまり馴染みがなく、抵抗があるような人でも、飲みやすい焼酎なら試してみたいと、思う方もいるのではないだろうか?
そんな焼酎初心者のあなたには、是非とも「れんと」を試してもらいたいものである。
その、あまりにもクセの無い飲みやすさに、焼酎への抵抗感を、全くと言っていいほどに、払拭してくれることは間違いないと断言できるからだ。
大自然に囲まれた、東洋のガラパゴスが堪能できる奄美大島の宇検村
都会での暮らしにつかれた人も、大自然の中でのんびりと暮らしてみたい、そんなふうに思っている人も多いのではないかと思う。
しかし、自然の多いところとなると、何かと不便なことも多いのでは?と、不安要素も尽きないことが多い中、ここ宇検村では、移住先としても大注目の村でもある。
実際に移住を検討されている方への、ガッツリとした宇検村の解説については、ここでは省略して、宇検村の魅力を簡単に解説しようと思う。
その前に、なぜ奄美大島の宇検村について述べるのかというと、この宇検村に、黒糖焼酎「れんと」を製造する、奄美大島開運酒造の宇検工場があるからだ。
奄美大島開運酒造の創業者である、渡博文会長が、この宇検村のご出身ということもあり、自身のルーツである宇検村に貢献したいという思いで、奄美大島開運酒造の工場を宇検村に設立した。
奄美大島開運酒造は、現在、奄美諸島の中で、最も大きな、黒糖焼酎製造工場となっている。
宇検村は奄美大島の中南部西岸に位置しており、島建伝説の霊峰ともいわれる、奄美諸島最高峰の湯湾岳(ゆわんだけ)がある村だ。
奄美空港から、約1時間30分、奄美市の中でも中心街である、名瀬からは約1時間の距離で、宇検村に到着する。
宇検村には、エメラルドグリーンの極上ビーチがあり、その背中には、奄美大島で最高峰の高さを誇る、湯湾岳がそびえ立っている。
この、目の前に広大な海、背中にそびえ立つ山という、まさに夢のような光景は、島ならではだと思うのであるが、島で住んでいても、このような絶景を目の当たりにできる光景というには、珍しいことではないだろうか?
例えば、屋鈍(やどん)海岸では、透明度抜群の屋鈍ビーチで、マリンスポーツや、バーベキューといったレジャーが楽しめるほか、運が良ければ、沖合を泳ぐイルカに遭遇することもあるのだという。
さらに、湯湾岳では、古の時代から生き続けている「アマミノクロウサギ」などの希少な動植物が生息している。
他にも、湯湾岳では、天然記念物に指定されている生き物も多く、頂上付近は、国定公園特別保護地区に指定されている。
このような、自然豊かなところに住んでいる人といえば、大自然に心も浄化されたような、美しくて、広い心の持ち主である住人がいるのが特徴だと言える。
実際、宇検村では、移住者を受け入れることに力を入れたり、「親子山村留学」といった制度で、特別助成金などの支援を受けて、小中学校を通う、留学制度も設けたりしている。
そして、特筆すべきなのが、これら、大自然豊かな宇検村から、わずか車で40分の距離にある、奄美市に行けば、生活していくのに何一つ不便なく、過ごせる環境下にあるという点だ。
さらに、雇用の面についても充実していて、奄美大島の有効求人倍率1.2倍という、求人倍率の高さをほこり、宇検村でも、土木業と漁業を中心に、雇用の面でも充実している。
つまり、宇検村は、何不自由のない普通の生活が、大自然の中で実現ができてしまうという、大注目の村なのだ。
これをお読みの人の中で、大自然が恋しくて、移住先を検討したいと思っている人がいたとしたら、宇検村はそんな人に対して、まさにうってつけの地域なのではないだろうか?
数々の賞を受賞してきた黒糖焼酎「紅さんご」
東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)は、2019年から、日本で開催された、ウイスキーとスピリッツの品評会である。
TWSCの歴史はまだ浅いが、ここでは、ウイスキーを中心に、東京で、蒸留酒の品評会が行われているのであるが、この品評会で行われている中で、注目すべきなのが、焼酎部門の品評会である。
ウイスキーやスピリッツは、日本で製造されている洋酒ということになるが、焼酎は、いわずもがな、日本が誇る、和製のお酒である。
そんな和製のお酒である、焼酎部門において、連覇を達成したのが、奄美大島開運酒造が製造する、黒糖焼酎「紅さんご」だ。
「紅さんご」は、東京ウイスキー&スピリッツコンペティションにおいて、2021年と2022年のベスト・オブ・ザ・ベスト、つまり、1位となった。
これは、単に黒糖焼酎の中で、1位というだけでなく、すべての焼酎の中で、1位を受賞したということになる。
しかも、「紅さんご」は、2021年と2022年と、2年連続受賞となっていて、今、最も、オススメの黒糖焼酎、いや、焼酎だと言える。
また、全国の酒販店有志で企画したイベント「第1回酒屋が選ぶ焼酎大賞」(実行委員会主催)においても、黒糖焼酎部門で、奄美大島開運酒造(宇検村)の銘柄「紅さんご」が大賞に選ばれた。
奄美大島開運酒造の泊常務は、黒糖焼酎を1位に選んでくれているというのは、奄美大島に対する同情があるのかもしれないと、謙遜している様子でもあるが、選ばれた理由が実力以外の何物でもないということは、誰の目にも明らかなことである。
筆者も実際、イノウエのツイートで、「紅さんご」のネタをツイートすると、多くの黒糖焼酎のファンから、「紅さんごは間違いない。」だとか、「(紅さんごのツイートを見て)すごい焼酎ですよね。」などというコメントが多く寄せられる。
この「紅さんご」の圧倒的な存在感は、黒糖焼酎だけではなく、日本の飲酒業界を牽引していくにふさわしい存在感となっている。
こんな美味しい「紅さんご」が製造されているのが、美しい、宇検村だということについて、宇検村のことを知ると、「紅さんご」が美味しい理由も納得できるのではないかと思う。
美しい自然は、美しい人の心と、美味しい酒を生んでくれるのだということである。
奄美大島開運酒造の歴史について
ここからは、奄美大島開運酒造株式会社の歴史について、述べて行こうと思う。
※ここからの内容についは、鯨本あつこ、石原みどり著の「あまみの甘み あまみの香り」を参照して、記載しています。
奄美大島開運酒造の前身は、昭和29(1954)年創業で、旧・名瀬市(現在の奄美市名瀬)で「東富士(あじまふじ)」「紅さんご」を製造していた合資会社戸田酒造所(とだしゅぞうしょ)である。
宇検村出身でホテル業を経営していた渡博文(わたり・ひろふみ)氏が、ホテルにお酒を納めていた同社より、後継者不在のため、事業を譲りたいとの相談を受け、豊富な水に恵まれた宇検村で酒造業を興すことを決意。
平成8(1996)年に酒類の製造免許を譲り受け、合資会社奄美大島開運酒造に社名を変更。
翌年、宇検村・湯湾(ゆわん)の現在地に製造工場を開き、その後、株式会社に組織変更をして、現在に至る。
創業者で、現在、同社の会長を務める渡博文氏が、奄美大島開運酒造の工場を建設する場所に宇検村を選んだ理由というのは、同氏の出身が宇検村であることが理由であるとのこと。
さらに、工場を設立する前の当時、過疎化が進む同氏の故郷である宇検村に、産業を興して、村に携わる人を増やしたいという思いがあったのも、宇検村を選んだ理由の一つでもある。
また、ここ宇検村では、大自然の恵みの他、焼酎の製造に不可欠である、水について、湯湾岳の伏流水という、最高の恵みである水を確保することができたのも、宇検村を工場の立地に決定する大きな要因となったようだ。
創業当時に同社の杜氏を務めていたのが、現社長の夫人である、渡悦美(わたり・えつみ)氏である。
渡悦美杜氏は、女性に親しまれやすい焼酎を造りたいという思いで、黒糖焼酎「れんと」を開発。
後にこの「れんと」が、国内生産量日本一になり、現在でも海外向けへの販路を増やす、爆発的ヒット商品となる。
本格焼酎ブームが、平成13年~平成17年(2001年~2005年)に訪れ、特に、平成15年(2003年)のピーク時には、約50年ぶりに、焼酎の出荷量が日本酒を上回るほどになる。
このとき、バーやラウンジの「ボトルキープ」のお酒も、焼酎に置き換わることが増えてきた。
日本本土で、焼酎が品薄状態になり、奄美大島開運酒造の製品も、生産が追い付かない状況になった。
ここで、奄美大島開運酒造の代表である、渡会長は、焼酎を高値で買いたいという、申し出を断ってでも、地元である奄美大島への供給を選択したのだという。
この、焼酎ブームの時に訪れた、本土への供給を断念するという選択は、同社にとって、大きな機会損失になったのも事実としてある
それでも、このときの、本土ではなく、奄美大島への供給を選択したことを、全く後悔せずに、地元に貢献してきたことを、今もなお、その選択が正しかったと、渡会長は述べている。
それから、奄美大島開運酒造は、奄美大島での信頼を強固にしたことはもちろんのこと、日本本土における人気も不動のものとし、黒糖焼酎蔵元として、NO.1の売り上げを誇る企業へと成長していった。
2019年3月、在コロンビア日本大使館が主催する政財界の有力者達を集めた、修交110年記念晩餐会で「れんと」が紹介され、ここでも高い評価を得る。
現在は、国内のみならず、アメリカ、中国、東南アジアへと販路を拡大している最中でもあり、黒糖焼酎の世界販売も順調に成長を遂げるに至って、現在に続いている。
現在、奄美大島開運酒造の代表取締役は、渡慶彦(わたり・よしひこ)氏が務めている。
慶彦氏は、奄美大島開運酒造が創業する前は、父である博文氏とともに、奄美観光ホテルの経営をしていた。
慶彦氏も、ホテル経営時代から、現在の奄美大島開運酒造の経営までを牽引してきた、同社の歴史とともに歩んできた人でもある。
同社の現在の杜氏は、高妻淑三(こうずま・よしみ)氏が務めている。
高妻氏は、前杜氏である渡悦美氏より、杜氏としての技能を引き継いで、さらなる商品のアップデートに真摯に取り組んでいる。
奄美大島開運酒造は、黒糖焼酎蔵元後発組にも関わらず、今では奄美諸島の黒糖焼酎蔵元を牽引する、中心的な蔵元へと成長を遂げたのであった。
焼酎造りの素人集団からのスタート
ここからは、黒糖焼酎蔵元として、焼酎製造の経験のない、いわば素人集団が、どのようにして、黒糖焼酎界を牽引するにいたったのであるか、焼酎造りの取り組みについて、述べていきたいと思う。
奄美大島開運酒造の立ち上げ当初、初代杜氏を務めたのが、上述しているとおり、渡悦美(わたり・えつみ)氏である。
奄美大島開運酒造が立ち上がった当初は、驚くべきことに、焼酎製造の経験のある人が誰もいなかったという話である。
始め、奄美大島開運酒造では、他の蔵元から、杜氏を招くことも検討はしたものの、自分たちでやってみようという意思のもと、素人スタッフだけで焼酎造りを始めた。
このとき、奄美大島開運酒造の杜氏となったのが、渡悦美杜氏である。
渡杜氏は、もとは、徳之島の出身で、大学時に栄養学を専攻し、大学の論文でも、黒糖を題材にした論文を展開するほどに、黒糖に対する思い入れを強く持っていたという話である。
管理栄養士としての資格を持ち、黒糖への思い入れが強い、渡杜氏だからこそ、黒糖焼酎への取り組みも、期待以上の成果を上げてきたのではないかと思う。
焼酎造りが初心者でスタートした当初、焼酎の造りを学ぶため、渡杜氏は、数名のスタッフ(当時はホテル従業員の方々)で、鹿児島県工業技術センターへ3ヶ月間勉強に通うことになる。
そして渡杜氏は、鹿児島のとある蔵元と、アドバイスをやり取りする関係になり、焼酎の造りについて、試行錯誤を経て、自分たちの商品を形にしていくことを成功させていった。
当時、渡杜氏が鹿児島の蔵元から教わった内容に、「焼酎造りは体感するのと同時に分析値の数字を照らし合わせることも重要」だということ。
このような試行錯誤も、ある程度経験のある者が行うのであれば、何となく数値などに、当たりをつけることもできたのであろうが、全くの素人からの製造となると、相当な努力があったことが、容易に想像ができることだと思う。
焼酎ブームが訪れる前までは、焼酎といえば、ほとんどの場合、男性が飲むアルコール飲料であり、女性が飲むということは、稀なことだった。
そんな、女性をターゲットにした焼酎が無いことにあえて挑戦し、女性向けの焼酎造りをスタートさせるのだった。
奄美大島開運酒造では、焼酎工場立ち上げ当初は、渡杜氏以外にも、営業にも女性を採用し、人脈造りに力を入れて、商品開発、営業活動に力を入れてきた。
こうして出来上がった焼酎が、おなじみの「れんと」である。
「れんと」のブルーな瓶は、宇検村から見える、青い海と青い空をイメージしたのもだという。
「れんと」が発売されるまでは、焼酎の瓶といえば、茶色の瓶というイメージがあったのであるが、回りから心配されたり、瓶の製造会社からも、大丈夫?との声もあった中、青い瓶で「れんと」を販売することを決意。
そして、「れんと」は、当社の狙い通り、女性が飲むとかっこよくて美味しい焼酎という、渡杜氏がイメージしたとおりの焼酎となった。
0からのスタートで、ここまでの偉業を成し遂げるには、どれほどの苦労と努力があったことなのだろうか?
そして、杜氏やスタッフ達の、これまでの真摯で熱心な取り組み姿勢があるからこそ、「れんと」はこれからも、売り上げをどんどんと伸ばしてくのだと思う。
音響熟成が焼酎に及ぼす効果について
「れんと」は、減圧蒸留法で蒸留された原酒を、タンクに入れて、熟成させたあとに、製品化されて出荷される。
ここで減圧蒸留法で蒸留された焼酎は、常圧蒸留の焼酎に比べて、素材の風味や味を残しながら、すっきりとした味わいの残る商品となる。
そして、いよいよ「れんと」の造りの特徴とも言うべき、「音響熟成」による熟成の行程に入る。
「れんと」のラベルに記載している、「音響熟成」という言葉。
「れんと」がタンクの中で、クラシック音楽で熟成される期間は、約3か月。
「れんと」が入っているタンクの中には、振動トランデューサー(電気―機械振動変換器)によって、振動に変換され、貯蔵タンク内に、振動が伝えられる。
ここで、単なる機械振動ではなく、音楽から変換された、微細な変化を含む振動によって、熟成を促す製法を取り入れている。
この、音楽による微細な変化による振動が、水の分子クラスターを小さくするとともに、味や香りがまろやかになり、そして、すっきりとした味わいになる効果があると言われているとのこと。
この、クラシック音楽は、ロック音楽でも振動を伝えるのに代用できるとのことであるが、クラシック音楽の上品な音楽は、例えば、睡眠から目覚めるときに聞くと、寝起きがかなり気分よくできるのだそうだ。
人が飲む商品だからこそ、音楽も、狙った味に仕上げるのに、例えば「れんと」の場合は、クラシック音楽が、イメージ通りの音楽だと言える。
「れんと」というのは、音楽用語でゆっくりとの意味。
「れんと」には、雑な音楽ではなく、クラシック音楽で熟成させるからこそ、すっきりとした味わいが生じる。
宇検村の紹介の動画などについても、静かなクラシック音楽を聴きながら紹介を聞くと、見ていても気分がよく、静かな自然の多く、上品なイメージの宇検村にはぴったりの音楽である。
インタビューに応じてくれた方々をご紹介
今回の記事作成にあたり、奄美大島開運酒造の方々で、インタビューに応じていただいた方々をご紹介したいと思う。
常務取締役 泊浩伸氏
始めにご紹介するのが、奄美大島開運酒造(株) 常務取締役 泊浩伸(とまり・ひろのぶ)氏である。
泊常務にインタビューのお願いをしたところ、心よく引き受けてくださった。
泊常務さまは、とても威勢が良く話される、とても気さくな人柄の方だ。
TWSCで「紅さんご」が一位のことなどは、奄美大島に対する同情もあったのかもしれないと、とても謙遜ぎみにお話をしてくださり、決しておごらない精神がとても伝わってきた。
そして、他の焼酎の蔵元が、ワイン酵母などの造りの工夫を懸命していて、自社も頑張らないといけないと、黒糖焼酎界を牽引している立場にも関わらず、努力し続ける姿勢を語ってくださった。
黒糖焼酎蔵元の中で、NO.1の売り上げを誇るようになった奄美大島開運酒造であるが、その道のりは決して平たんなものではなく、相当な苦労があったのだという。
大業を成し遂げるには、相当な苦労があったに違いないが、奄美大島開運酒造を牽引してきた心強い人としての大きさを、強くイノウエは感じた。
大山隆盛(おおやま・たかもり)氏
今回、インタビューの依頼に対し、担当を引き受けてくださったのが、営業部の大山隆盛氏である。
大山氏は、私(イノウエ)の依頼分を見て、イノウエのブログを見てくださった。
その感想に、イノウエはとても心を打たれる経験をさせていただいた。
ブログを拝見した大山氏は、「各蔵の紹介から飲み方まで大変丁寧に記載されてまして
驚きと感激でいっぱいであります。」というコメントをいただき、大山氏のコメントを見て、逆に、驚きと感激に包まれたのは、むしろイノウエの方であった。
とても丁寧で、礼儀正しく、このような営業の方がいれば、奄美大島開運酒造さまも、相当心強いのではないか。
大山氏は、奄美大島の島内の営業担当ということであるが、島内に、このように頼もしい営業を配置するあたり、奄美大島開運酒造がいかに奄美大島を大切に思っているということが伝わってくる。
大山氏は、学生のころに、大阪に住んでいたことがあり、そこでは、日本酒をはじめとして、いろいろなお酒を楽しんでいたのだという。
さらに、奄美大島に帰ったあとも、お酒については、幅広くいろいろな種類のお酒を楽しんでいるとのことで、お酒好きということだけでも、イノウエは大山氏のことを、好きになってしまうのであった。
大山氏に奄美大島の魅力について聞いてみると、奄美大島ならではの雰囲気があるのだということである。
奄美大島に行ったことはあるものの、住んだことが無いイノウエは、奄美大島の雰囲気がどのようなものなのであるかというのが、わからない。
ただ、奄美大島では、島を大切に思っている、親切すぎる人々がいて、のんびりとした生活習慣を持っている人たちが住んでいるということは、認識している。
奄美大島の人々が、お酒と音楽を愛する人たちであるということは、イノウエが愛さない理由は全くない。
なぜなら、イノウエも、お酒と音楽を愛する人だからである。
杜氏 高妻淑三(こうずま・よしみ)氏
イノウエは、杜氏である、高妻淑三氏とのインタビューにも応じていただくことができた。
高妻氏は、落ち着きのあるトーンで静かに話す、それでいて、内に力強い芯のしっかりしたような印象のあるお人だ。
杜氏である高妻氏は、もともとは、宮崎の人だということで、奄美大島には、Iターンで住むことになったようである。
黒糖焼酎に興味を持った高妻氏は、黒糖焼酎は、奄美大島でしか作られていないということもあってか、奄美大島への移住を決意する。
高妻氏は、普段の飲酒の量はどちらかといえば少な目の方なので、お酒の飲み方としては、良いお酒を少量飲むといった、飲酒習慣を持っているとのこと。
高妻氏が「れんと」について説明をしてくださったときは、「れんとは、減圧蒸留という製法で作られている、すっきりとした味を目指した焼酎なんです。」と、初心者でもわかるような、とても丁寧な解説をしてくださった。
奄美大島開運酒造の工場見学の際は、高妻氏がいろいろなお客さまに対して、毎回のように工場の案内をしているのだと思うのであるが、落ち着いたトーンでしっかりとしたわかりやすい説明は、誰が聞いても納得できるような説明をされているのだと想像がついた。
イノウエにも、「奄美大島開運酒造の宇検工場に来てください。」と、力強く言っていただいたことが、何よりも嬉しく、工場に絶対に行かなければならないと、強く思うのであった。
奄美大島開運酒造が製造する具体的な銘柄をご紹介
ここでは、奄美大島開運酒造が製造する、代表的な黒糖焼酎の銘柄のうち、いつくかの銘柄について、紹介していこうと思う。
「れんと」
度数:25度
蒸留方式:減圧蒸留
「れんと」については、これまでも解説してきたので、改めて解説する必要はないと思うが、簡単に解説を述べていこうと思う。
「れんと」は、音楽用語でゆっくりとの意味。
減圧蒸留で、飲みやすいお酒の原酒をさらに、音響熟成により、味と香りがまろやかになるように仕上げ、すっきりと飲みやすい一品に。
黒糖焼酎のみならず、焼酎初心者が飲むべき焼酎で、これほどクセが無く、すっきりとした味わいに仕上がっているお酒は無いのではないかと思う。
ほんのりと上品に香る黒糖の香りが心地よく、女性向けの一品である。
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「紅さんご」
度数:40度
蒸留方式:常圧蒸留
熟成期間を樽貯蔵で5年以上熟成させた、ジャパニーズラム。
「紅さんご」についても、これまでに解説した内容があるので、簡単に解説しておこうと思う。
このお酒は、常圧蒸留で製造した原酒をオーク樽とシェリー樽で5年以上長期熟成した焼酎だ。
樽貯蔵酒については、黒糖焼酎とウイスキーとの区別をするため、濃度については基準があり、基準以内の濃さに仕上げないといけないこともあり、樽の風味も必然的に、濃度に比例して、濃い過ぎない味になる。
この絶妙な樽感が、「紅さんご」では見事に表現されており、樽と甘さのバランスが絶妙な加減で仕上がっている。
そのため、度数40度にも関わらず、度数を感じさせない飲みやすさで、思わず、度数が濃いことを忘れて、飲み進めてしまう一品である。
高妻杜氏も、黒糖と樽貯蔵酒とのバランスには、他のどの素材に比べても、相性が抜群だということである。
実は、高妻杜氏以外にも、黒糖焼酎に関係している何人かの証言で、黒糖と樽との相性が最高だということを、イノウエは聞いてきたので、黒糖と樽との相性は、今後も突き詰めていけば、さらに美味しい黒糖焼酎の樽貯蔵酒が生まれるかもしれない。
樽のお酒は、そのままでも美味しいが、水や炭酸、お湯割りなど、どの媒体で薄めても、良い感じに樽が味を引き立ててくれるので、幅の広い飲み方で美味しい飲み方ができるのである。
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「あまみ六調」
度数:30度
蒸留方式:常圧蒸留
奄美大島開運酒造の黒糖焼酎伝承蔵が製造する、「あまみ六調」は、他の黒糖焼酎とは違い、どっしりと重みのある黒糖焼酎である。
このお酒の特徴は、何といっても「甘い黒糖焼酎」というのが印象的で、芳醇な甘さを感じながら、それでいて、後味がすっきりとしている。
黒糖焼酎初心者がこのお酒を飲むと、その甘さに少し驚かれることがあるという。
それだけ、インパクトのある、甘い黒糖焼酎である。
どのような飲み方でも美味しいのであるが、ロック、お湯割り、水割りがオススメ。
最近、夏になると、炭酸割りで焼酎を飲む人が、九州以外でも増えているのであるが、このお酒については、炭酸割りが、あまりオススメではない。
というのも、甘さが強い黒糖焼酎は、炭酸で割っても、甘さが炭酸を抑え込んでしまうということがある。
甘い黒糖焼酎ならば、その特性を生かす、水で割るという飲み方が、このお酒のオススメの飲み方である。
少々クセがあるかもしれないが、好きな人には、ハマるお酒であると思う。
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「うかれけんむん」
度数:30度
蒸留方式:常圧蒸留
黒麹仕込みの、すっきり系とは逆の、黒糖を感じられる一品。
このお酒は、「れんと」とは逆の、どちらかというと、黒糖を強調したような商品。
もともと、黒麹は、素材の特性が出やすいが、素材の雑味も出やすくなるため、白麹を使うことが多いが、このお酒は、あえて、黒糖感を演出することを表現した商品である。
このお酒は、もともとは奄美大島島内のみの販売であったが、現在は、オンラインショップなどで、本土でも手に入る一品となった。
「あまみ六調」とは違い、製造している場所が違うので、また違った味わいが楽しめる。
3年以上の熟成期間を経ているので、コクに加えてまろやかさがあり、クセになる焼酎となっている。
うかれけんむんの、けんむんとは、宇検村に昔から伝えられている、伝説の生き物である。
お酒好きの幻の生き物である、けんむんが造ったお酒ということで、奄美大島の宇検村を楽しむにも良い一品ではないかと思う。
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奄美大島開運酒造は黒糖焼酎のみならず、奄美大島を牽引する企業である
これまで、奄美大島開運酒造について、述べてきた。
奄美大島開運酒造は、黒糖焼酎蔵元として、また、奄美大島を牽引する企業として、活躍中の企業である。
黒糖焼酎の本土へ供給に対する、恩恵もさることながら、奄美大島で過疎化が進んでいる宇検村を、盛り立てていった功績は、計り知れないものがある。
本記事を記載するまで、イノウエも奄美大島開運酒造の軌跡が、想像をはるかに超えるほどの道のりを歩んできたことに対し、尊敬の念に堪えない。
これからも、日本のみならず、世界に対して、「れんと」は羽ばたいていくことであろう。
黒糖焼酎は世界に通用するお酒だということを、今後も、奄美大島開運酒造を、心から応援し、感謝をもし上げていきたいと思う。
イノウエは、思った。
今日も「紅さんご」は、神である!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。