町田酒造(まちだしゅぞう)について
町田酒造は、年間2000キロリットルを製造し、全国に5営業所を構える酒造メーカーです。
創業者は、沖永良部島出身で建設業を営んでいた町田寛孝(まちだ・さねたか)氏。
創業の背景には、奄美群島でしか造ることのできない黒糖焼酎を全国に販売し、地域を活性化させたいとの寛孝氏の思いがあったといいます。
蔵の前身は、戦前から旧住用村(すみようそん)の石原(いしはら)で銘柄「住の江(すみのえ)」を製造していた有限会社石原酒造。
造り手が高齢化し後継者のいなかった石原酒造より昭和58(1983)年に酒類製造免許を譲り受け、平成3(1991)年に社名を町田酒造に変更しました。
異業種からの参入だったこともあり、元鹿児島大学学長で「悪臭を除き、世界に通用する焼酎」を研究していた蟹江松雄(かにえ・まつお)氏の協力を得て、近代的な焼酎製造法を研究。
平成元(1989)年に龍郷町大勝(おおがち)の現在地に最新の設備を備えた新工場を開設し、翌年より焼酎製造を開始しました。
造りでは、減圧蒸留に加え、黒糖をふんだんに使うのが特徴です。
黒糖と米の比は2.5対1で、ひと仕込みに使う黒糖は約5トン。
黒糖を多めに使うことで、芳醇さとスッキリした味わいをもたらしています。
沖縄産黒糖に加え、不足する分を、タイ産の黒糖や、鹿児島の製糖工場が現地指導するフィリピン産の黒糖で賄っています。
麹(こうじ)には米国ジャポニカ米を使用し、銘柄により白麹と黒麹を使い分けています。
約2トンの米を大型の連続蒸米機で蒸し、円盤型の回転式製麹(せいきく)装置で麹を造ります。
仕込みは冷却装置を備えたステンレスタンクで、黒糖は使用量が多いため2回に分けてもろみに加えています。
主力の銘柄は減圧蒸留ですが、常圧蒸留の銘柄も造っています。
貯蔵熟成にも力を入れていて、代表銘柄の貯蔵年数は3年以上かけています。
町田酒造株式会社 鹿児島大島郡龍郷町大勝
取り扱い銘柄 里の曙、奄美の杜、瑞祥 など