本格焼酎造りに欠かせない、仕込み水、割り水にもこだわりがある
本格焼酎造りに欠かすことのできない水。
各蔵元では、少しでも焼酎の味を美味しくするため、水にはとにかくこだわっています。
ここで、焼酎を造る上で、どの工程で、どのような水が使われているのかについて、解説していきます。
美味しい焼酎には、美味しい水が深く関係しています。
焼酎を造る上で、主に最も影響のある水といえば、もろみを造る際の「仕込み水」、アルコール度数を調整する「割り水」です。
さらに、生産者は、こだわりの水を使って、様々な工夫を積み重ねて、美味しい焼酎に仕上げていきます。
この記事を読み進めることで、以下の主な3つの内容について、知ることができます。
① 焼酎を造る上で重要な、「仕込み水」と「割り水」のそれぞれの役割や特徴について、知ることができる。
② 生産地域の水へのこだわりや、関西、関東、その他の水の調達に関する情報について知ることができる。
③ 自宅で簡単にできてしまう、好みのアルコール度数を試す方法について知ることができる。
それでは早速ですが、次の章より、焼酎を造る上で用いる、水について、解説していきます。
本格焼酎の味は水が命!各蔵元は水にとことんこだわっている!
これをお読みの読者様は、本格焼酎が好きな人がほとんどではないでしょうか?
本格焼酎造りには、水は欠かすことのできない原材料です。
各蔵元とも、水に対してこだわって焼酎を造っているところがほとんどです。
この記事では、焼酎造りに用いる水について、解説していきます。
焼酎の風味や味を左右する「水」は、各蔵元のこだわりポイントになります
焼酎に限らず、酒造りでは、水は大切な原材料のひとつです。
日本の酒どころは、どこも水に恵まれた土地だといえます。
焼酎造りの工程では、もろみを造る際の「仕込み水」、出来上がった原酒のアルコール度数を調整する「割り水」(または割水(かっすい)と呼ぶ)が使われます。
「仕込み水」や「割り水」で、焼酎の良し悪しが大きく変わりますから、どちらの場合も、蔵元で、選りすぐりの水が使われるのは、言うまでもありません。
特に、瓶詰めの直前に加える割り水は、焼酎の風味を左右するので、どの蔵元もこだわりを持っています。
焼酎に適した「水」とは?
水は、ミネラル成分を多く含む硬水と、これらの成分が少ない軟水に分けられます。
ミネラル成分のうち、鉄分やマンガンは焼酎の風味を損なうので、一般的に焼酎に向くのは軟水と言われています。
しかし、麹菌や酵母の育成には、リン酸やカリウムなどのミネラル成分が必要になるので、一概にどのタイプの水が良いとは言えないようです。
ほとんどの蔵元では、地域色を出すために、その土地の地下水を使用しています。
仕込みから割り水まで、一貫して同じ湧き水を使う蔵元が多いのですが、中には、硬水系の水を仕込み水に使い、割り水には雨水などの軟水を、というように使い分けている蔵元もあります。
原材料と麹の相性を加味し、「水」を選ぶ。
各蔵元の、この水へのこだわりが、味や品質を向上させているのです。
焼酎業界も注目!「海洋深層水」
最近では、水深200メートルよりも深いところにある海水の、「海洋深層水」の使用を売りにした焼酎も造られています。
海洋深層水は、カルシウムやマグネシウムなど細胞の働きを助けるさまざまなミネラルを含んだ「生命の水」とも呼ばれています。
海洋深層水を割り水として使うと、もとの焼酎の香りのよさに、ミネラルのまろやかさが加わり、一層、味が引き立ちます。
自分好みのアルコール度数が簡単に?早速自宅で試してみよう
これをお読みの読者様は、アルコール度数の調整が自宅で簡単にできることをご存知でしょうか?
度数の調整といっても、用意した焼酎に、水を加えるだけなのですが。
ここでは、自分好みのアルコール度数を造るために、簡単な目安となる表についてお話します。
「割り水」で、自分好みのアルコール度数をみつけよう!
ここでは、自分好みのアルコール度数をみつけて、焼酎を自宅で簡単に楽しむ方法について、記載していきます。
こだわりの水を用意したら、次は、アルコール度数にこだわってみましょう。
実は、手軽に水で調節できるのです。
お湯で割っても、ストレートでも、自分の好みで飲むことができるのが焼酎の魅力です。
中でも、地元の人に愛され続ける、「割り水燗」または「前割り」という割り方があります。
この飲み方は、寝かせることで、焼酎と水の分子がゆっくりとなじみ、味がまろやかになるのです。
しかし、それ以外にも、アルコール度数も自分で調節できるのが魅力です。
「濃いのをキュッと」派も、「ライトをいつまでも」派も、焼酎なら可能です。
でき上がり焼酎のアルコール度(%)「焼酎25度の場合」
焼酎:割り水 | 目安アルコール度 | 備考 |
7:3 | 17.5 | 「ツウ」に好まれる度数 |
6.5:3.5 | 16.0 | 蔵元オススメの度数 |
6:4 | 15.0 | ポピュラーな飲み方 |
5:5 | 13.0 | ワインのアルコール度数程度 |
4:4 | 10.0 | お酒が強くない人向け |
「水」が人間の味覚を決める!?
水は、水に含まれる硬度総量によって、軟水と硬水に分けられます。
私たち日本人は軟水を好むようで、環境省による名水百選でも、9割近くは軟水が選ばれているそうです。
ちなみに、童謡「ホタル来い、こっちの水は甘いぞ」の歌詞は、この軟水のことを表しているのだということです。
また、西日本に軟水が多く、火山灰質の関東などには、硬水が多いというエリアの違いがあり、実はこのことは、食文化にも影響しています。
薄味の関西、濃い味つけの関東という現実。
このことも、関西と関東の水質によるところが原因と言われています。
自分が関西、関東など、どちら方面のエリアで生活しているか、どう味が違うか、など、考慮してみると面白いです。
各地域の名水で造られる焼酎も、原材料だけでなく、水から考えてみるのも興味深いですよね。
ちなみに、日本酒やワインなど、醸造酒には、硬水が適しているそうです。
美味しい本格焼酎は、水への強いこだわりがあるからこそ実現できる
本格焼酎造りに欠かすことのできない水。
この記事では、美味しい本格焼酎には水への強いこだわりがあるからこそ実現できることを解説させていただきました。
焼酎を造る上で、主に最も影響のある水といえば、もろみを造る際の「仕込み水」、アルコール度数を調整する「割り水」です。
さらに、生産者は、こだわりの水を使って、様々な工夫を積み重ねて、美味しい焼酎に仕上げていきます。
今回の記事では、以下の主な3つの内容について、解説させていただきました。
① 焼酎を造る上で重要な、「仕込み水」と「割り水」のそれぞれの役割や特徴について、知ることができる。
② 生産地域の水へのこだわりや、関西、関東、その他の水の調達に関する情報について知ることができる。
③ 自宅で簡単にできてしまう、好みのアルコール度数を試す方法について知ることができる。
この記事を読まれた読者様が少しでも、焼酎に興味を持っていただき、焼酎を好きになっていただけると、筆者としても嬉しい限りです。
この記事は以上になります。
ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。
以下、本記事など本格焼酎に関してのまとめ記事へのリンクとなります。↓