本格焼酎を楽しむ際に、より雰囲気を味わう方法として、酒器にこだわるということがあります。
あまり知られていませんが、焼酎にも日本酒やワインなどと同じように、伝統的な酒器というものが存在します。
焼酎の中でも特に、泡盛を生産している沖縄では、琉球王国の時代から、さまざまな酒器が作られたり使用されたりしていたようです。
やはり、お酒というのは、どの国や地域でも、それを楽しむための環境やこだわりなどに、どこまでも人の手によって、工夫や取り組みがされてきたんですね。
これをお読みの読者様も、焼酎が好きなのであれば、その味わいだけでなく、酒器や雰囲気なども楽しんで飲みたいと思うのではないでしょうか?
ここでは、焼酎の専用の伝統的な酒器について、その魅力などを解説していきます。
この記事を読み進めることで、以下の主な3つの内容について、知ることができます。
① 焼酎を飲むための専用の酒器に関する歴史を知ることができる。
② 焼酎専用の酒器と、その種類について、具体的な銘柄について知ることができる。
③ 焼酎を飲むためのカップや茶碗にについて、具体的な銘柄について知ることができる。
それでは早速ですが、次の章より、焼酎の酒器について、解説していきます。
本格焼酎を味わうには、酒器が変われば、うまさも変わる
本格焼酎を味わうには、その銘柄の味わいだけでなく、酒器にもこだわって飲むと、それだけで味わいもかわってくるのではないでしょうか?
この、雰囲気というのは、とても不思議なもので、人間の脳も、同じ飲み物や食べ物でも、食べる環境や場所、雰囲気によって、実際に味わいが変わるという、科学的なデータもあったりします。
そのように見てみると、焼酎の専用の酒器などがあれば、尚一層、焼酎が美味しく感じられるのではないかと思います。
ここでは、そんな、焼酎の伝統的な酒器について、解説していきます。
酒器にこだわり、舌と目で味わう
日本酒には徳利やぐい吞み、ワインにはワイングラスやデキャンタがあるように、焼酎にだって専用の酒器があります。
九州や沖縄の人々は、本格焼酎・泡盛の味そのものの追求だけでなっく、もっとおいしく、そして楽しく小粋に飲むために、焼酎の種類に合わせて、郷土色あふれる独創的な酒器をつくりだしてきました。
だから、専用の酒器で飲めば、おいしさもぐんと違ってくるのです。
形を変えながら沖縄から南九州へ
焼酎の酒器として一番歴史が古いのは、沖縄で使われていた「酎家」(ちゅうかあ)という小さな陶器の土瓶です。
しかし、平たい胴に固定された持ち手が壊れやすかったので、改良されて持ち手のない徳利型の「カラカラ」が登場しました。
暑い沖縄では、泡盛を燗する習慣はないので、酎家もカラカラも耐火性はありません。
それが、琉球王朝時代に鹿児島に伝わると、持ち手が蔓(つる)になり、胴の耐熱性も高くなって燗付け用の「黒ヂョカ」へと変化します。
また、カラカラは鹿児島を通って熊本へ伝わり、球磨地方特有の「ガラ」という直燗ができる陶製の酒器になりました。
このほかに、宮崎には、囲炉裏の灰にさして燗するように、先が尖っている「鳩徳利」(鳩燗)があります。
焼酎を本格的に楽しむたのめ具体的な酒器についてご紹介
ここでは焼酎を本格的に楽しむための酒器について、具体的に、それぞれ解説していきます。
また、本格焼酎を楽しむための、カップや茶碗についても解説していきます。
伝統的な酒器でどっぷりハマりたい。
焼酎に昔から用いられてきた、伝統的な酒器について、解説していきます。
黒ヂョカ(直火)(鹿児島)
鹿児島の焼酎文化を語る上で欠かせない燗付け器。
左手に猪口(チョク)、右手にヂョカを持ち、絶えずとろ火で温めながら焼酎を飲むのがツウとされています。
使い込むほどに深い味わいがしてきます。
カラカラ(沖縄)
泡盛を入れる酒器です。
徳利と違ってどっしりしているので、倒れにくいのが特徴です。
名前の由来は、酒の席であちこちから「カラ、カラ!(貸せ、貸せ)」と声がかかったからという説と、中に陶製の玉が入っているため、空になるとカラカラと音がするからという説があります。
すーっとノドを通り抜ける爽快感
ガラスグラス
色鮮やかなグラスでさわやかに、水割りやロックを楽しみましょう。
沖縄では、最近、リサイクルガラスを使用してつくった、沖縄の琉球ガラスで作られた美しい模様のガラスグラスがあります。
これでお湯割りづくりもカンペキ!?
焼酎カップ
焼酎のお湯割り用のカップです。
お湯と焼酎を入れる分量の目安がついているので、とっても便利です。
楽しく飲むためのシャレ心がいっぱい
教訓茶碗
8分目まで注げば普通に使えるけれど、それ以上注ぐと、真ん中の穴から全部こぼれ落ちてしまう、石垣島に伝えられるなんとも不思議な茶碗。
「欲張りすぎるとすべてを失う」という教訓が込められています。
そらきゅう(鹿児島)
独楽のように先がとがっている猪口(チョク)です。
置けば倒れてしまうので、中に入ったままでは置くことができず、注がれたら飲むしかありません。
「そらっ」と注がれたら「きゅうっ」と飲み干すことが名前の由来です。
熊本では「そらぎゅう」と呼びます。
沖縄の酒器はバラエティ豊富
沖縄には冠婚葬祭の用途別にさまざまな酒器があり、古くから泡盛が人々に深く愛されてきたことがわかります。
嘉瓶(ゆしびん)
祝儀用の泡盛を入れる。
対瓶(ついびん)
仏壇などに一対にして泡盛を供える。
渡名嘉瓶(となきびん)
墓前に泡盛を供える。
フチュクルビン
祖先への土産にする泡盛を入れ、死者のふところ(フチュクル)に納めるための小壺。
焼酎を楽しむために酒器についてもこだわって飲もう
今回の記事では、本格焼酎を楽しむ際に、より雰囲気を味わう方法として、酒器について解説させていただきました。
焼酎の中でも特に、泡盛を生産している沖縄では、琉球王国の時代から、さまざまな酒器が作られたり使用されたりしていたようです。
これをお読みの読者様も、焼酎が好きなのであれば、その味わいだけでなく、酒器や雰囲気なども楽しんで飲むと、その味わいも格別なものになることでしょう。
この記事では、主に以下の主な3つの内容について、解説させていただきました。
① 焼酎を飲むための専用の酒器に関する歴史について、九州や沖縄で昔から盛んに作られていたことについて解説させていただきました。
② 焼酎専用の酒器と、その種類について、具体的な銘柄である、黒ヂョカや、カラカラなどについて解説させていただきました。
③ 焼酎を飲むためのカップや茶碗にについて、具体的な銘柄について、教訓茶碗や、そらきゅうなどについて解説させていただきました。
この記事を読まれた読者様が少しでも、焼酎に興味を持っていただき、焼酎を好きになっていただけると、筆者としても嬉しい限りです。
この記事は以上になります。
ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。
以下、本記事など本格焼酎に関してのまとめ記事へのリンクとなります。↓
「自分だけの1本を選ぶ・飲む・楽しむための「本格焼酎」の辞典」を見に行く。