本格焼酎の原材料について深く知ろう。米について。

  • 6月 30, 2022
  • 6月 30, 2022
  • 知識編
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焼酎の元祖である米焼酎は日本酒に勝るとも劣らない淡麗な味わい

日本の焼酎の元祖と言われるのは米焼酎です。

米焼酎は、稲作が盛んだった熊本県球磨地方で生まれました。

この記事では、焼酎の元祖である、米焼酎の原料である米について解説していきます。

実は、米焼酎は日本酒に勝るとも劣らないほどに、淡麗な味わいで上品な飲み口が特徴の焼酎なのです。

この記事を読み進めることで、以下の主な3つの内容について、知ることができます。

① 焼酎の種類の中で、米焼酎が持つ魅力について、知ることができる。

② 米焼酎の原料に使われている米の種類や特徴について知ることができる。

③ 米焼酎の原料である米の歴史やうんちくなどについて、知ることができる。

それでは早速ですが、次の章より、米焼酎について、解説していきます。

米焼酎の魅力について深く知りたい

冒頭でも述べましたが、日本の焼酎の元祖と言われるのは米焼酎です。

米焼酎は、稲作が盛んだった熊本県球磨地方で生まれました。

米焼酎の特徴である、重みのある上質な穀物香と厚みのある味わいは、他でもなく、米だからこその味わいなのです。

ここでは、そんな焼酎の中でも焼酎の元祖とも言える、米焼酎について、その魅力や種類、歴史などの知識について、解説していきます。

米焼酎の、さらりとした甘味は日本酒に勝るとも劣らない上品さと言えます。

最近では、焼酎の製造方法にも、減圧蒸留を用いて、軽やかな香りでありながらコクと旨味がしっかりと残った米焼酎も造られています。

日本の食の主役ともいえる米焼酎は刺身などの日本食との相性も抜群です。

熊本・球磨地方には焼酎用の隠し田があった!?

熊本県南部、球磨(人吉)盆地で造り出されたのが独特の香りをもつ球磨焼酎と呼ばれる焼酎でした。

江戸時代には多くの隠し田があり、石高は公称2万2千石の4~5倍にあたる、10万石もあったというお話です。

しかし、球磨盆地は、高温多湿のため、日本酒を造るには不向きでした。

それで、球磨盆地の人々は、米から焼酎を造るようになったのです。

この球磨盆地で造られたお酒は、産地名を冠して「球磨焼酎」と呼ばれるようになりました。

この球磨焼酎と表示できるのは、米麹と球磨産の米100%を原料に、球磨郡あるいは人吉市の地下水を使用し、さらに球磨地方で造られたものに限られるのです。

米焼酎にチャレンジする日本酒の蔵元

米焼酎は、米と米麹で造られます。

つまり、米焼酎の原料は、日本酒と同じ原料なのです。

このような背景もあり、日本酒の蔵元の中には、焼酎ブームに乗じて、閑散期に米焼酎を造る蔵元が増加しています。

多くの日本酒造りのノウハウを生かした新しいタイプの米焼酎が、全国津々浦々で続々と登場しています。

日本最古の焼酎は米が原料だった!?

日本で最初に焼酎を造ったのは、薩摩だそうです。

薩摩で造られた装柱の原材料は、さつまいもというのが定説になっています。

しかし、鹿児島県大口市の郡山八幡神社の柱に注目すべき古い落書きが発見され、その説が大きく揺らぎました。

その落書きの内容は、永禄2年(1559年)8月の日付けで「施工主がこす(方言で「けち」)で一度も焼酎を振る舞ってくれなかった」と記載された内容になります。

これは当時の大工が記したものと言われています。

当時は薩摩でもさつまいもの栽培は行われていませんでした。

つまり、この焼酎の原材料は米と考えるのが妥当なようです。

焼酎用の米は水分量が決め手

米焼酎の原材料の米は、多くの蔵元が米の品種にこだわっています。

食用米なら「コシヒカリ」や「ひとめぼれ」が用いられますが、酒造適合米なら「山田錦」や「五百万石」などが用いられます。

ここで、酒造適合米とは、農産物規格規定で、醸造用玄米のことです。

また、酒造適合米として、精米中に割れてしまった砕米なども使われますが、農産物規格規定で酒造適合米として使用される米の水分含有量については、15%以下と規定されています。

東海道中、喜多さんの足の疲れはとれた?!

江戸時代後期、十辺舎一九が書いた「東海道中膝栗毛」の中で、喜多さんは四日市の宿で酒を購入するという記載があります。

このお酒は、飲まずに疲れをとるという目的で、足にかけるという説があります。

この時に購入されたお酒について、本州には酒粕を用いた粕取り焼酎の技法が伝わっていたことから、喜多さんが四日市で購入したお酒は、米焼酎だと考えられるようです。

また、江戸後期に初期された、新撰組の近藤勇の生首は、保存のために、酒漬けで運ばれたとのことですが、このときに使用されたお酒も粕取り焼酎だったようです。

米焼酎に使われている品種と具体的な銘柄の例をご紹介

ここでは具体的に、米焼酎に使われている米の品種と、その具体的な米焼酎の銘柄について解説していきます。

ヒノヒカリ

ヒノヒカリは、コシヒカリと愛知40号との掛け合わせで造られました。

ヒノヒカリは主に、西日本で栽培され、食用にも最適な米として造られています。

代表銘柄;寿福酒造場「武者返し」、尾鈴山蒸留所「山翡翠(やませみ)」など

コシヒカリ

コシヒカリは、日本では人気NO.1のブランド米です。

コシヒカリの中でも、正真正銘の一等米といえば、新潟魚沼産のコシヒカリです。

代表銘柄:福田酒造「はなてばこ」、豊永酒造「酔って候」など

山田錦

山田錦は、日本酒用に開発された酒造好適米で、粒が大きいことが特徴です。

山田錦は晩生品種のため、北陸・東北などの早生地帯での栽培は不向きの品種です。

代表銘柄:司牡丹酒造「いごっそう」、菊姫酒造「加州剱」など

焼酎の元祖である米焼酎は淡麗な味わいと上品な飲み口が特徴

今回の記事では、焼酎の元祖と言われる、米焼酎について解説してきました。

この記事では、焼酎の元祖である、米焼酎の原料である米について解説させていただきました。

実は、米焼酎は日本酒に勝るとも劣らないほどに、淡麗な味わいで上品な飲み口が特徴というお話もさせていただきました。

今回の記事では、主に下記の3つの内容について、お伝えさせていただきました。

① 焼酎の種類の中で、米焼酎が持つ魅力について、その飲み口が日本酒に勝るとも劣らないほどに淡麗で上品な飲み口であるということを解説してきました。

② 米焼酎の原料に使われている米の種類や特徴について、焼酎に使われる米は水分量が決め手であるというお話をさせていただきました。

③ 米焼酎の原料である米の歴史について、米焼酎の元祖である「球磨焼酎」や「東海道中膝栗毛」などの歴史的なお話をさせていただきました。

この記事を読まれた読者様が少しでも、焼酎に興味を持っていただき、焼酎を好きになっていただけると、筆者としても嬉しい限りです。

この記事は以上になります。

ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。

以下、本記事など本格焼酎に関してのまとめ記事へのリンクとなります。↓

「自分だけの1本を選ぶ・飲む・楽しむための「本格焼酎」の辞典」を見に行く。

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