本格焼酎の原材料について深く知ろう。泡盛のタイ米について。

  • 7月 9, 2022
  • 7月 9, 2022
  • 知識編
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日本最古の蒸留酒。500年以上の伝統が醸し出す香りとコクは格別

泡盛は日本最古の蒸留酒です。

焼酎と同じ蒸留酒でありながら、焼酎とは一線を画す泡盛。

しかし、焼酎を語る上で、泡盛の存在は無視できません。

なぜなら、焼酎はタイなどの東南アジアを起点として、南の方から蒸留酒として伝わったものであり、沖縄で製造されていた泡盛は、焼酎の原点であり、通過点だからです。

この記事では、そんな焼酎よりも歴史の深い蒸留酒である、泡盛について、解説していきます。

この記事を読み進めることで、以下の主な3つの内容について、知ることができます。

① 泡盛の定義について、知ることができる。

② 泡盛が生んだ蒸留酒の熟成文化の歴史について知ることができる。

③ 泡盛の熟成場所についてのうんちくを、知ることができる。

それでは早速ですが、次の章より、泡盛について、解説していきます。

泡盛のお酒の定義や原料のタイ米について知ろう

泡盛といえば、沖縄のお酒ですよね。

そんな泡盛は、日本最古の蒸留酒で、その年数は、500年以上とも言われています。

泡盛の魅力と言えば、醸し出す香りとコクは格別だと言えます。

ここでは、そんな泡盛について、定義や原料のタイ米などについて、解説していきます。

「泡盛ならでは」の独特の風味

沖縄で造られる泡盛の歴史は古く、焼酎の祖先ともいえます。

原材料のタイ米をすべて麹にする全麹仕込みと長期熟成で造りあげた深い香りとコクが身上です。

泡盛は、寝かせれば寝かせるほど、まろやかさと深みが増す泡盛は、新酒と古酒では味わいはまったく異なります。

新酒なら同量の水で割り、ワインのように、古酒ならストレートを口の中で転がしながら楽しんでみると面白いです。

度数の高い、泡盛の古酒のストレートは、こってり系の料理と合わせると美味しくいただけます。

泡盛の原材料であるタイ米の特徴とは?

タイ米の特徴は、細長い粒が特徴で、インディカ米に分類されます。

タイ米は炊飯しても粘り気がなく、ぱらぱらしていて、独特の匂いがあるため、日本のご飯には不向きです。

水分の少ないタイ米は、麹菌を繁殖しやすく、本格焼酎の麹米としても用いられています。

泡盛と焼酎やその文化だけでなく、原材料的にも繋がっていたのですね。

焼酎と一線を画す泡盛の条件その1

泡盛は、本格焼酎の仲間ですが、他の焼酎とは一線を画しています。

酒類業組合法では、「泡盛菌という沖縄県産の黒カビでつくった米麹を水と混ぜて発酵させ、これを蒸留した本格焼酎」という記載があります。

つまり、泡盛で使用する麹は、黒麹が主流になっています。

黒麹は雑菌の繁殖を抑えるクエン酸をつくるため、高温の沖縄でも腐敗しにくく、そのうえ、泡盛独特の風味を出してくれます。

焼酎と一線を画す泡盛の条件その2

泡盛の米も他の米焼酎とは異なり、国産米ではなく、あえてタイ米を使います。

さらに、仕込みを2回に分ける焼酎に対して、泡盛は1回ですべてを仕込む、全麹仕込みになっています。

全麹仕込みのように、一気に仕込めば、雑菌の繁殖や腐敗も防ぎやすくなります。

これらの条件がそろって初めて泡盛と呼ぶことができるのです。

沖縄で泡盛を使った神聖な儀式であるオトーリとは?

オトーリとは、沖縄用語で習慣のことを言います。

泡盛が注がれた杯が、車座に座った人たちに順番に回り、受け取った人は立ち上がり、口上を述べ、飲み干すという儀式。

これが延々と続くのが、沖縄ならではのオトーリだといえます。

このオトーリ、いわゆる泡盛を使った習慣は、昔は大切な酒を平等に飲むための神聖な儀式だったということです。

泡盛が生んだ蒸留酒の熟成文化について知ろう

泡盛といえば、熟成文化の発祥ともいえるお酒でもあります。

熟成酒という文化は、世界的にも、ウイスキーやワインなどでも広く用いられている手法です。

泡盛の熟成文化も、泡盛ならではの独特な手法で、熟成文化が育まれてきました。

ここでは、泡盛の熟成文化に関する知識や伝統的な文化について、解説していきます。

熟成文化が生んだ古酒

沖縄のもっとも一般的な泡盛は、アルコール度数30度の「一般酒」といわれる貯蔵3年未満の新酒です。

古酒(クース)と呼ばれるのは、3年以上貯蔵、あるいは3年以上貯蔵した泡盛が総量の50%を超えるものという取り決めがあります。

これは、泡盛の熟成には、「仕次ぎ」という伝統的な方法が採用されているからです。

「仕次ぎ」法とは、熟成中の酒に若い酒を足し、古い酒を活性化させ、さらに熟成を促す独特の方法のことをいいます。

「仕次ぎ」法の具体的なやり方は、親酒、二番酒、三番酒と年代の古い純に甕を並べ、熟成で親酒が減った分を二番酒から注ぎ、二番酒の減った分を三番酒から注ぐ、というように順繰りに酒を足していきます。

熟成場所その1~墓~

泡盛は、焼酎と同じく、寝かせれば寝かせるほど、味わい深くなることから、沖縄の家庭では、南蛮甕は鉄やマンガンなど金属物質を含む土でつくられた素焼きの甕で、気孔が多く、熟成にいい効果を生みます。

泡盛の保存に向く場所は、温度変化が少ない例難所ですが、実は、沖罠では、墓の中で寝かせる風習があります。

沖縄の代表的な墓である亀甲墓は、後方に大きな納骨堂を備えているので、泡盛を保存するには最適なのです。

墓前に親族が集まって古酒を飲んで祖先の霊を祀る「シーミー」という儀式もあります。

熟成場所その2~海中~

泡盛を入れた瓶を水深10メートルほどの海に沈めて寝かせる方法もあります。

海中は温度が低く、日光も遮断されているので、泡盛の保存には、もってこいの環境なのです。

水圧や海流の振動も、泡盛にとっては、よい熟成を促すことになるようです。

ただし、泡盛の入った瓶が、海流に流されないように、定期点検が必要だということです。

泡盛は日本古来の蒸留酒の原点であり、蒸留酒の熟成文化の生みの親である

今回の記事では、日本の最古の蒸留酒である、泡盛について解説してきました。

焼酎と同じ蒸留酒でありながら、焼酎とは一線を画す泡盛。

今回の記事では、以下の主な3つの内容について、解説させていただきました。

① 泡盛の定義について、原料にタイ米を使うことや、全麹仕込みであることなどについて、解説させていただきました。

② 泡盛が生んだ蒸留酒の熟成文化の歴史について、例えば、仕次ぎ法などの方法について、解説させていただきました。。

③ 泡盛の熟成場所について、墓の中や、海中などで熟成させることについて解説させていただきました。

泡盛は、焼酎と関わりも深く、泡盛の歴史を知ると、焼酎に引き継がれた熟成などについても、より理解を深めることができます。

この記事は以上になります。

ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。

以下、本記事など本格焼酎に関してのまとめ記事へのリンクとなります。↓

「自分だけの1本を選ぶ・飲む・楽しむための「本格焼酎」の辞典」を見に行く。

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