朝日酒造について解説
朝日酒造の創業は、大正5(1916)年。
奄美群島で現存する、最も歴史ある焼酎蔵です。
初代・喜禎康二(きてい・やすに)氏が妻のハツエ氏を杜氏(とうじ)とし、泡盛の酒造所「喜禎酒造所(きていしゅぞうしょ)」として創業したのがはじまりです。
泡盛の古酒(クース)と同じく、古酒に減った分の新酒を注ぎ足していく「仕次ぎ法」で熟成させる銘柄もあり、蔵のルーツを感じさせます。
製造工場には、煉瓦造りの煙突とかボイラーが保存されており、歴史ある蔵の風格を感じさせます。
煉瓦の煙突は蔵のシンボルとして長年地元っ子達に愛されてきましたが、度重なる台風などで老朽化したため、安全のために一部だけを残して屋内に保存されています。
代表銘柄「朝日(あさひ)」は、タイ米に白麹造り、沖縄産黒糖を使用し、黒糖と米の比率は1.6対1。
仕込み水は、地下から汲み上げたミネラル豊かな硬水です。
常圧で蒸留し、原酒は1年以上貯蔵してから商品化されます。
「壱乃醸 朝日(いちのじょう あさひ)」と「飛乃流 朝日(ひのりゅう あさひ)」は、原料や造りを工夫し、冷系/温系に適した味わいを構築した銘柄です。
冷やす飲み方に適した「壱乃醸 朝日」は、タイ米に黒麹造り、米の4倍量の黒糖を使用して香りとキレを出しています。
温める飲み方に適した「飛乃流 朝日」は、国産米に白麹造り、低温発酵でじっくりと米の香りやコクを引き出しています。
喜界島では、秋になると先祖を祭り敬う「高祖祭」が催されます。
喜禎さん地元の湾(わん)集落では、住民が一斉に墓所へ集合して先祖のお墓に供え物をするのですが、自分の家のお墓参りだけでなく、黒糖焼酎の瓶を持って次々にお墓を廻り、まるで故人に挨拶をするように、お墓に供えたコップに焼酎を注いで回ります。
この時期は島外で暮らす親戚なとも多く帰省し、島中がにぎわいます。
久しぶりに集まっての宴会には、もちろん黒糖焼酎が欠かせません。
朝日酒造株式会社 鹿児島県大島郡喜界島湾
取り扱い銘柄 朝日、壱乃醸 朝日、飛乃流 朝日、南の島の貴婦人 など