4つの蔵で醸す「ブラック奄美」
今回ご紹介するのは、奄美群島の徳之島にある、奄美酒類株式会社が製造する黒糖焼酎「ブラック奄美」40度というお酒です。
もともと、黒糖焼酎「奄美」は4つの蔵元の原酒のブレンド酒ということもあり、面白いお酒でした。
ブラック奄美は、奄美酒類株式会社の4つの蔵元のお酒を同量の原酒で持ち寄ったお酒を樫樽で3年以上貯蔵した、長期熟成酒です。
奄美酒類株式会社の4つの蔵元で製造される「奄美」というお酒もとても面白いお酒。
普通ブレンド酒と言えば、お酒の味をマイルドにするためにするものですが、「奄美」は4つの蔵元の個性がそのまま反映されているので、とても複雑な味わいになっています。
ただでさえ、奄美酒類のお酒は個性があって面白いのに、この面白い「奄美」を原酒のまま樽貯蔵するからとても面白いです。
このお酒、香りはまるでバニラのように複雑な味わいに。
さらに、樫樽の風味も加わって、その香ばしさがバニラの香りを濃厚な香りのように演出してくれます。
濃厚な甘い香りと芳醇な黒糖の甘い味わいがクセになります。
徳の島は、1つの島が3つの町に分かれていますが、この3つの町は「なにがあっても合併しない」と言われているそうです。
しかし、この島には町は合併しなくても、3町に散らばる4つの酒蔵が造る原酒をブレンドして1つの銘柄として世に出る黒糖焼酎があります。
そのお酒は「奄美」。
今回のお酒は、この白麹仕込みである「奄美」とは違った味わいが楽しめる、それぞれの蔵元の原酒を3年以上樽貯蔵したからの香ばしい樽風味が加わった味わい。
小さな酒蔵が何社か集まって、原酒をブレンドし、統一銘柄を出すケースは焼酎大国の鹿児島県でも4社しかなく、そのうちの2社が奄美群島にあります。
原酒をブレンドすることで出る深い味わい。
その都度コンディションの異なる原酒をブレンドして銘柄ごとの味に仕上げるのは、経験と技術が必要な仕事で、異なる原酒をブレンドすることで、香りや味わいに深みを出すことができるのだそうです。
徳之島の4蔵が参加する奄美酒類では蔵の規模に大小はあっても、納入する原酒の量は等しく同じ量を納めているのだそうです。
この黒糖焼酎が造られているのは上記のとおり、徳之島。
では、なぜこの焼酎の名前が「奄美」なのか?
その理由はわかりやすいもので、「このお酒を販売し始めた当時、徳之島よりも奄美の方が知名度があったから」ということなのだそうです。
黒糖焼酎「ブラック奄美」は、バニラのような甘い香りと芳醇な黒糖の甘い味わいが特徴のお酒です。
単に黒糖の香りといっても、4つの蔵元のブレンド酒ならではの複雑な味わいに、黒糖焼酎ファンでも納得いただけるでしょう。
このお酒、原酒のまま製品化されているので、40度というウイスキーのような度数ですが、ウイスキーやバーボンと違った味わいに。
ちょっとだけ飲めば、これはバーボンだ!って言ってしまうかもしれませんが、もう少し飲めば、黒糖焼酎。
ジャパニーズバーボンを飲んでみませんか?
黒糖焼酎「ブラック奄美」の製造について
原料:黒糖
蒸留方式:常圧蒸留
麹の種類:米麹(白)
アルコール度数:40度
製造元:奄美酒類株式会社 鹿児島県大島郡徳之島町
奄美酒類(あまみしゅるい)を構成する5つの酒蔵
酒蔵その① 中村酒造(なかむらしゅぞう)
酒蔵その② 松永酒造場(まつながしゅぞうじょう)
酒蔵その③ 高岡醸造(たかおかじょうぞう)
酒蔵その④ 亀澤酒醸造(かめざわしゅじょうぞう)
酒蔵その⑤ 天川酒造(あまかわしゅぞう)
黒糖焼酎「奄美」は徳之島の4つの酒蔵の同量の原酒をブレンドした複雑で軽快な飲み口の焼酎です。
現在から50年前、小さな蔵がそれぞれ酒造りをやっていたら潰れてしまうから、みんなで一緒にやりなさいという国の指導があり、奄美酒類が生まれました。
50年前に各蔵の社長が英断を下したことにより、私たちはこの黒糖焼酎「奄美」を飲むことができるのです。
徳之島のブレンダーさんたちによる、至極の一品、ぜひ楽しい晩酌のお供に加えてみてはいかがでしょうか。
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