本格焼酎の美味しさの秘密は製造工程を知ると理解できる
本格焼酎の美味しさの秘密は製造工程を知るとより深く理解できるようになります。
ここでは本格焼酎の製造工程をわかりやすく解説していきます。
本格焼酎の製造工程を要約すると、以下の内容になります。
- 米から米麹を作る。
- 米麹と酵母と水を合わせて一次もろみと作る。
- 一次もろみに、米、麦、芋、黒糖などの主原料を合わせて再発酵させ、二次もろみを作る。
- 二次もろみを蒸留し、甕やタンクに貯蔵。
- できた原酒を水で割ってアルコール濃度を調節し、製品化する。
上記の製造工程を踏むことで、製品化されていきます。
次の章では、もう少し踏み込んで、これらの製造工程について、詳しく解説していきます。
本格焼酎の製造工程を徹底解説
本格焼酎はどのようにして製造されていくのでしょうか?
ここでは、本格焼酎の製造工程を、詳しく解説していきます。
本格焼酎の造り方
焼酎のアルコール分は、麹によって原材料のでんぷん質を糖分に分解し、その糖分を養分に酵母がアルコールを発酵することで造り出されます。
本格焼酎の一般的な製造工程は、次の工程となります。
- 米から米麹を作る。
- 米麹と酵母と水を合わせて一次もろみと作る。
- 一次もろみに、米、麦、芋、黒糖などの主原料を合わせて再発酵させ、二次もろみを作る。
- 二次もろみを蒸留し、甕やタンクに貯蔵。
- できた原酒を水で割ってアルコール濃度を調節し、製品化する。
これらの工程を踏んで製品化されたものを瓶詰して出荷を待つだけとなります。
2通りの蒸留方法
本格焼酎の蒸留方法には常圧蒸留と減圧蒸留があります。
常圧蒸留とは大気圧の下で行う伝統的なもので、原材料の特性が生かされ、本来の香りや旨味が味わえます。
貯蔵の際の醸成効果が高いので古酒や長期貯蔵酒にも向きます。
一方、1970年代に登場した減圧蒸留は、その名のとおり蒸留機内の圧力を下げて低温で蒸留するため、クセのない、まろやかな飲み口になります。
静かに、でも熱く熟成を待つ焼酎もろみ
もろみを仕込んで、そのまま放っておいても酒と呼べるものはできるそうですが、より美味しく、より利蔵の酒に近づけるために管理は欠かせません。
毎日、毎時間のようにチェックが行われ、少しの変化も見落とさないよう徹底した温度管理の元に、微生物たちが息づいています。
発酵の平均日数は、一次仕込みは約一週間で一段落。
二次仕込みは、芋の場合は、仕込みの翌日から温度が急上昇し、約10日ほどで熟成します。
米や麦は、熟成するまで約15日間。
少しずつ豊かな風味がつくりだされる期間です。
時期によって泡の形状、高さ粘りなどが異なり、もろみは毎日表情を変えていきます。
蔵元たちが神経を配る期間であることは間違いないでしょう。
もろみの成長過程
2日目 温度が急上昇中。
色に変化はまだない。
4日目 泡の大きさにも変化が。
6日目 どろりとしたバナナジュースのよう。
8日目 フツフツとしていた泡の姿はない。
10日目 熟した果物のような甘く芳香な二次もろみに。
一般的な本格芋焼酎の造り方を図解で理解を深めよう
ここでは、本格焼酎の製造工程について、より理解を深めるため、一般的な本格芋焼酎の造り方を図を見ながら解説していきます。
一次もろみである米麹を造る工程と、芋を仕込んで二次もろみにしていく工程は、同時並行で行われていきます。
米麹と主原料である芋が合わさることで、一次もろみから二次もろみに変化していきます。
米(麹原料)を一次もろみにしていく工程
- 主原料になる米は、精米した国産米などが使われます。
- 洗米・浸漬 まず麹をつくることからスタートします。
米を洗い、水に漬けて吸水させます。
- 蒸米 麹を繁殖させやすいよう蒸していきます。
- 製麹(せいきく) 蒸した米に種麹をまぶします。
さつまいも(主原料)を二次もろみにしていく工程
- さつまいも(主原料) もっともポピュラーなコガネセンガンをはじめ、品種改良で誕生したジョイホワイトや紫色をした芋など、多種多様のものが使用されています。
- さつまいもの選別・洗浄 痛みが早いので、収穫後にすぐに処理します。
芋の両端を切り落とし、皮をむくなどは、手作業で行われます。
- さつまいもの蒸し・冷却・粉砕 さつまいもを蒸した後、冷やし、粉砕機で細かく砕いていきます。
一次仕込みから二次仕込みを経て製品化していく工程
- 一次仕込み 麹・水、酵母を甕やタンクに入れ、「一次もろみ」をつくります。
- 二次仕込み 一次もろみに、粉砕した芋を加え「二次もろみ」をつくります。
- 蒸留 二次もろみを「単式蒸留機」で蒸留します。
- 貯蔵・割り水 蒸留直後の焼酎は白濁した状態です。
焼酎を覚醒しながら十分寝かせ、不要な脂を取り除いたり、濾過するなどして、味を落ち着かせます。
焼酎を出荷する際に、「割り水」して、アルコール濃度を調整します。
- ビン詰め いよいよ出荷する前に、ビン詰めしていきます。
- ラベル貼り付け 焼酎の顔となる、ラベルを丁寧に貼り付けていきます。
- 出荷 販売店へ出荷していきます。
上記のように、焼酎が製品化されるまで、とても手の込んだ工程を踏むことで、製品化されているのです。
筆者的な経験から述べさせていただきますと、もしこの工程を、一つの瓶だけを製造するとなると、数十万円~数百万円ほどの価値があると思っています。
そのぐらいの手間がかかっている製品を大量生産することで、単価を抑えているわけです。
しかし、いくら大量生産といっても、本格焼酎は甲類の焼酎に比べて、手間のかかり方が桁違いにかかっていることがわかります。
そういう意味で、販売店で売られている焼酎の価格が、コスパが良すぎるぐらいの格安で販売されているのだという認識を、消費者である私たちが持つ必要があるのだと思います。
これらのことを理解すると、本格焼酎が尚一層、美味しい飲み物だと思うことができるのではないでしょうか?
本格焼酎はとても手間がかかっているからこそ美味しい
この記事を読み進めていただいた読者様は、本格焼酎がいかに手間をかけて造られているものなのかについて、理解できたのではないかと思います。
もろみの成長過程などは、数時間ごとにもろみをチェックすることを考えると、蔵元では、24時間365日、もろみの面倒を見ているということになります。
ここまでくると、寝る間も惜しんでもろみを育てているのだということが、想像できてしまいます。
本格焼酎は、このように、生産者が魂こ込めて生産しているからこそ、美味しくいただけるのです。
もう一度まとめると、本格焼酎の製造工程は、以下の内容になります。
1. 米から米麹を作る。
2. 米麹と酵母と水を合わせて一次もろみと作る。
3. 一次もろみに、米、麦、芋、黒糖などの主原料を合わせて再発酵させ、二次もろみを作る。
4. 二次もろみを蒸留し、甕やタンクに貯蔵。
5. できた原酒を水で割ってアルコール濃度を調節し、製品化する。
本格焼酎の製造工程について、理解を深めることができたでしょうか?
本サイトでは、黒糖焼酎、または広く、焼酎にご興味を持たれた方へ、少しでもためになるような情報を提供していけるよう、サイトを充実させていきたいと思います。
この記事は以上になります。
ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。
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